共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

脊髄虚血障害に対するMuse細胞による再生治療

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
19K09235
体系的課題番号
JP19K09235
配分額
(総額)
4,290,000円
(直接経費)
3,300,000円
(間接経費)
990,000円
資金種別
競争的資金

近年,心臓血管外科領域において治療の低侵襲化が進む一方,依然として治療困難な疾患も存在する. 中でも大動脈疾患である胸腹部大動脈瘤の治療においては,侵襲度の高さや術後合併症により術後ADLが著明に低下し,予後を低下させる一因となっている. 対麻痺は重篤な術後合併症の一つであり,未だ治療法は定まっていない. 今回我々は,「術中虚血による炎症反応の抑制」および「失われた神経機能のための脊髄前角細胞の再生促進」がこの合併症の一つの改善策であると考え,ユニークな障害組織遊走能及び自発分化能を持つ幹細胞であるMuse細胞(Multilineage-differentiating stress enduring cells)を用いることを想起した. その炎症組織下における脊髄前角細胞の保護・再生を期待して,対麻痺における治療効果の可能性を探求することとした. 2019年度はウサギを用いた対麻痺モデルの作成を行った.
しかし, その後も文献を調べていく上でウサギよりもラットを用いた対麻痺モデルが多いことを知り, 動物実験の3Rの1つであるreplacementにも則り, ウサギより下等なラットを選択することとした. ラットに吸入麻酔(イソフルレン)を用いて麻酔導入・維持を行う. 左第3肋間開胸として, 尾静脈よりヘパリン100IU/kg投与した後, 左鎖骨下動脈5mm遠位で一定時間(16分間)胸部下行大動脈を遮断し, 脊髄虚血モデルを作成する. 行動評価はBBB(Basso, Beattie and Bresnahan) locomotor scaleを用いる. BBB scaleにおいて0-1点であり, 実際に対麻痺を確認でき, 採用することとした.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19K09235
ID情報
  • 課題番号 : 19K09235
  • 体系的課題番号 : JP19K09235