その他

2009年4月 - 2009年4月

年輪年代学的視点に基づく材鑑標本の試料調査および年輪データベースの構築


年輪年代法は、年輪を利用した年代測定法であり、木材の暦年代を1年単
位で決定できることから、考古学等の分野で応用されている。申請者らは、
現在、この方法の基礎となるマスタークロノロジー(標準的な年輪幅変動曲
線)を構築に取り組んでいる。材鑑室には、法隆寺心柱、小原二郎氏の古材
のコレクションなど数多くの貴重な試料があるが、年輪年代学的な視点から
これらを調査した例はほとんどない。従って、これらの資料を精査するとと
もに、年輪幅を計測してデータベース化を行うことはきわめて重要である。
さらに、今後、各資料の暦年代を決定できる可能性があるため、木材劣化の
経時変化を研究する上で、その基礎となる重要な情報を提供できるものと期
待できる。