共同研究・競争的資金等の研究課題

2007年

バイオディーゼル燃料・グリセリン抜き出しによるエステル交換反応率の向上


資金種別
競争的資金

現在,多くの自治体において使用済み食料油を回収し脂肪酸メチルエステルに変え,軽油代替燃料(以下BDFと略す)としてディーゼル車に使う取り組みが行われている. BDFは比較的温和な条件で製造できるため,多くのバッチ式簡易製造設備が開発されている.しかしながら植物油(グリセリド)をメタノール(以下MeOHと略す)と反応させ脂肪酸メチルエステルとグリセリンへと転化させる反応は,平衡反応であり多量のMeOHを使用するか,あるいはグリセリンを除く等,プロセス上の工夫をしない限り未反応のグリセリドが残留する.残留グリセリドはディーゼル燃料としての品質を低下させ,エンジンの障害を起こしうる.そこで本研究では重力沈降分離装置を用いて副生するグリセリンを底部に濃縮,分離,抜き出しながら反応させて反応率を向上させ,未反応グリセリドを減少させようとするものである.また簡易製造設備では,一般的にMeOH回収設備を保有していない場合が多く使用したMeOHは反応に寄与するかあるいは未反応のまま水洗により系外に捨てられコストアップの要因となる.本法はMeOH使用量の削減にも寄与できるものと考えられる.