2011年4月 - 2015年3月
高密度マイクロアレイCGH法を用いた原爆放射線の遺伝的影響調査
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
高密度マイクロアレイを用いて原爆被爆者の親子127組についてコピー数変異(CNV)を調べた。一人当たり約300個のCNVが検出された。11人の子供に見られた11個のCNVは親には認められず新規の突然変異だった。このうち7個は欠失で、1個は約140kbの欠失、6個は5kb~30kbの小さい欠失だった。照射した精原細胞由来のF1マウスを用いたモデル実験で1Gyの放射線で誘発される欠失突然変異は約100ゲノム当たり1個、大きさは100kb以上であることが分かっている。今回の結果から、ヒトの放射線感受性はマウスの感受性と大きく違わず、放射線の遺伝的影響は従来考えられているよりはるかに小さいと思われる。
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- 課題番号 : 23310042
- 体系的課題番号 : JP23310042