2018年4月 - 2021年3月
魚由来線維芽細胞のコラーゲン産生を促進するオリーブ葉成分の同定と作用機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の目的は、線維芽細胞のコラーゲンを増やす(以後、コラーゲン増加活性と呼ぶ)オリーブ葉成分の特定と、その成分が線維芽細胞にいかに作用してコラーゲンを増やすのか(以後、メカニズムと呼ぶ)を解明することである。本年度(実施2年目)は、当初計画の【I】では、コラーゲン増加活性をメダカ尾ビレ由来線維芽細胞(OLHNI-2)で調べ、金魚鱗線維芽細胞GAKSの結果と比較を行った。【II】ではコラーゲン増加活性をもつ成分の特定のため、コラーゲン増加活性を示すオリーブ葉抽出画分の主要成分を分析した。【III】ではメカニズムの解明のため、コラーゲンの合成に必須のアスコルビン酸関連化合物の定量を行った。
【I】については、50ppmのオリーブ葉抽出液で処理したOLHNI-2ではコラーゲン前駆体量が2.4倍に増加したものの、その10分の一の濃度の5ppmではコラーゲン前駆体は増加しなかった。5ppmのオリーブ葉抽出液で処理したGAKSでは、コラーゲン前駆体量が1.5倍に増加したことから、メカニズムの解明にはOLHNI-2よりGAKSの方が適していると分かった。
【II】では、オリーブ葉抽出液のうちコラーゲン増加活性の高かった画分に含まれる成分を分析したところ、Oleuropein、Luteolin-7-glucoside、Verbascosideの3成分が多く含まれていることが分かった。
【III】については、GAKSを用いてメカニズムの解析に取り組んだ。オリーブ葉の成分は、細胞内のアスコルビン酸含量を増加させること、また細胞内のデヒドロアスコルビン酸をアスコルビン酸に変換するのに関わるグルタチオンの量も増加させることが分かった。よって、オリーブ葉の成分はグルタチオンの合成量を増加させることで、細胞内のアスコルビン酸濃度を上昇させ、その結果としてコラーゲンの合成も促進させたものと示唆された。
【I】については、50ppmのオリーブ葉抽出液で処理したOLHNI-2ではコラーゲン前駆体量が2.4倍に増加したものの、その10分の一の濃度の5ppmではコラーゲン前駆体は増加しなかった。5ppmのオリーブ葉抽出液で処理したGAKSでは、コラーゲン前駆体量が1.5倍に増加したことから、メカニズムの解明にはOLHNI-2よりGAKSの方が適していると分かった。
【II】では、オリーブ葉抽出液のうちコラーゲン増加活性の高かった画分に含まれる成分を分析したところ、Oleuropein、Luteolin-7-glucoside、Verbascosideの3成分が多く含まれていることが分かった。
【III】については、GAKSを用いてメカニズムの解析に取り組んだ。オリーブ葉の成分は、細胞内のアスコルビン酸含量を増加させること、また細胞内のデヒドロアスコルビン酸をアスコルビン酸に変換するのに関わるグルタチオンの量も増加させることが分かった。よって、オリーブ葉の成分はグルタチオンの合成量を増加させることで、細胞内のアスコルビン酸濃度を上昇させ、その結果としてコラーゲンの合成も促進させたものと示唆された。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K05821
- 体系的課題番号 : JP18K05821