共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2023年3月

嚥下機能改善を目的とした口唇周囲筋のトレーニングプログラム開発と介入基準作成

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K10078
体系的課題番号
JP20K10078
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,380,000円
(直接経費)
2,600,000円
(間接経費)
780,000円

申請者らは先行研究において、摂食嚥下リハビリテーションに関する数ある基礎訓練の中でも、口腔周囲筋の運動が高頻度に実施されている実態を明らかにしてきた。しかし、その訓練方法は統一されておらず、介入基準も十分検討はされていない。本研究では、口唇や筋の筋力など、口腔周囲の筋力と嚥下機能の関連を検討し、嚥下機能改善に効果的な訓練方法や介入基準を検討することである。今年度は、口唇周囲の筋力と嚥下障害、口腔機能低下の関連を明らかにすることを目的として研究を施行した。本邦では口唇周囲の筋力に対して2種類の計測装置が用いられることが多いため、両測定方法によって得られる値の相関と、嚥下障害、口腔機能等との関連を検討した。
2022年2月時点で148名を対象に計測を行った。そのうち、摂食嚥下障害の既往がない常食摂取者(健常群)25名(平均年齢76 .9±6.3歳),嚥下機能が低下した入院患者28名(平均年齢78.0±13.4歳)を対象とした解析を行った。口唇周囲の筋力は口唇閉鎖力測定器を用いたLip Seal Strength (LSS),口唇力測定器を用いたLip Closure Strength (LCS)を測定し,最大舌圧,オーラルディアドコキネシス(OD)/ta/,握力,下腿周囲長等との関連を検討した。LSS,LCSの平均±S.Dは,健常群で10.1±2.9N,9.2±4.3N,嚥下機能低下群で7.5±4.2N,6.6±5.1Nで,LSSとLCSに相関関係(健常群:r=0.58, p=0.03,嚥下機能低下群:r=0.60, p=0.001)を認めた。健常群では,LSS,LCSはSMI,握力と有意に相関し,舌圧はLCSのみと有意な相関を認めた。嚥下機能低下群では,LSS,LCSは舌圧,ODと有意に相関し,握力はLCSのみと有意な相関を認めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K10078
ID情報
  • 課題番号 : 20K10078
  • 体系的課題番号 : JP20K10078