2016年4月 - 2020年3月
肺パスツレラの細菌分類の再編と病原因子に基づく検出法の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究の目標の一つは肺パスツレラの細菌分類再編であったが、2017年度ベルギーとオランダの研究グループによってパスツレラ科細菌分類再編が発表された(Int J Syst Evol Microbiol. 2017 Jun;67(6):1793-1806.)。そこで昨年度の本研究では、肺パスツレラの病原性解析の解明と細菌分類再編の再確認に注力することを目標として行っている。
病原性に直接または間接的に関与していると考えられるCdiタンパク質、Esiタンパク質の解析を本年度行った。Cdi(Contact-dependent inhibition)については、大腸菌体で肺パスツレラ由来のcdiI、cdiA遺伝子のいずれかまたは両者を強制的に発現した場合、cdiA遺伝子のみを発現したときに大腸菌自体の増殖が停止することが観察された。このことからCdiタンパク質のうちCdiAが増殖抑制、CdiIはCdiAに対する抑制作用を持ったタンパク質であることが推察され、自己や近縁種の増殖を制御している作用を持ったタンパク質であることが示唆された。また、Esiタンパク質は一部のRodentibacter spp.から見出され、R. pneumotropicusやR. heyliiからはまだ同定されていないタンパク質である。このタンパク質は免疫グロブリンに対して親和性があることが予測されており、IgGならびにIgAに対して結合することが観察された。現在も試験中であるが、宿主免疫系に影響を及ぼす作用があるものと考えられた。
病原性に直接または間接的に関与していると考えられるCdiタンパク質、Esiタンパク質の解析を本年度行った。Cdi(Contact-dependent inhibition)については、大腸菌体で肺パスツレラ由来のcdiI、cdiA遺伝子のいずれかまたは両者を強制的に発現した場合、cdiA遺伝子のみを発現したときに大腸菌自体の増殖が停止することが観察された。このことからCdiタンパク質のうちCdiAが増殖抑制、CdiIはCdiAに対する抑制作用を持ったタンパク質であることが推察され、自己や近縁種の増殖を制御している作用を持ったタンパク質であることが示唆された。また、Esiタンパク質は一部のRodentibacter spp.から見出され、R. pneumotropicusやR. heyliiからはまだ同定されていないタンパク質である。このタンパク質は免疫グロブリンに対して親和性があることが予測されており、IgGならびにIgAに対して結合することが観察された。現在も試験中であるが、宿主免疫系に影響を及ぼす作用があるものと考えられた。
- ID情報
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- 課題番号 : 16K07095
- 体系的課題番号 : JP16K07095