共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2021年3月

機械学習計算基盤の構築と複数領域における画期的成果の創出

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17H00762
体系的課題番号
JP17H00762
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
40,820,000円
(直接経費)
31,400,000円
(間接経費)
9,420,000円

理論面と実装面に分けて報告する。
理論
(1)百種類以上ある木カーネルと比較して、部分パスカーネルが実行速度・正確性の両面において優れていることを、多数のデータセットを用いて実証した。順序木・無順序木を問わない点が定性的に重要な利点であり、加えて、正確性の評価において他の木カーネルに対して統計的に有意な差があることを示した。(2)部分パスカーネルを、入力となる木のサイズ(頂点の個数)に関して線形の計算量で計算するアルゴリズムを新規に開発した。他の木カーネルは、木のサイズの二乗ないし三乗のオーダーの計算量を必要とするので、部分パスカーネルの利点は顕著である。実際、iMac Pro 14Coreを用いた実験では、一つのカーネル値を計算するのに60マイクロ秒程度しか掛からない。(2)このアルゴリズムを理論的に記述するために、順序木の新たな定式化を考案した。(3)部分パスカーネルを用いたカーネルクラスタリング(k-平均、HACベース)を提案し、予備的実験により、良い性能が得られることを示した。(4)カーネルとガウス分布を用いた木構造データによる回帰の手法を提案した。
実装
(1)部分パスカーネルとSVMを用いて、木構造データの分類を行うライブラリの開発を完了した。このライブラリは、Excelをインターフェースとするラッパーを含み、研究者のみならず、非専門家でも使いやすいように設計・実装されている。(2)前記ライブラリを用いて、偽サイト判定システムを構築し、楽天株式会社、及び、兵庫県警本部において、検証実験を行なった。楽天での検証では正確性99.98%超、兵庫県警での検証でも90%を超える正確性を示し、部分パスカーネルを用いた分類器の優位性を示した。(3)犯罪予測の応用事例において、犯罪情報の情報量を目的関数として、ガウス分布回帰によって優れた予測精度が得られることを示した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H00762
ID情報
  • 課題番号 : 17H00762
  • 体系的課題番号 : JP17H00762

この研究課題の成果一覧

論文

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講演・口頭発表等

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