共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

八田與一と嘉南灌漑システムが台湾農業および農民に与えた影響について

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18K04402
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,900,000円
(直接経費)
3,000,000円
(間接経費)
900,000円

平成30年8月、連携研究者の上村繁樹教授(木更津高専)と共に嘉南農田水利会を訪問し、職員へのアンケート調査を実施した。63名に対するアンケート用紙を後に回収し、これだけの人数の八田與一とその妻外代樹に対する感想を聞くことができた。八田與一が遺した水利システムを直接運用するとともに、八田夫婦の家屋、銅像、碑の再建や保存、関係史料の収集につとめている組織の関係者へのアンケートであるため、台湾一般の人々とは違ったユニークな感想や見方をしていることがわかった。教科書に掲載されている、水利システムの貢献者としての評価以外に、與一の優しさや思いやりに言及している回答が見られる。これは八田與一のことを直接知る人が伝えた可能性が高い。與一自身は厳しい人であったとも伝えられるが、アンケートの回答には出てこず、そのこと自体、現代に伝わる八田の人物像の実像を示している。外代樹に対しては、一般の人よりもずっと性格面での高い評価が目立ち、典型的な日本夫人、素晴らしい人と評価されている。
嘉南水利システム建設時の組織内文書や報道などの史料が大量に所属されている台湾大学図書館を度々訪れ、史料のコピーを行っている。今まで知られていない八田に関するアメリカ土木界での高い評価、有能な技術者としての八田與一の姿も事業が進んでいた当時の1920年代、新聞等で伝えられてきた。また、八田以外の嘉南水利システムの関係者、特に本来の事業責任者、枝徳二は台湾で多く報道されてきたことがわかった。

ID情報
  • 課題番号 : 18K04402

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