自衛隊関連施設38ヶ所と日本赤十字社の国際医療救援拠点病院5ヶ所、災害拠点病院2ヶ所に所属し、1993年から2013年の間に海外での災害医療支援活動の経験を有する322名を対象に、医療従事者が国際的な災害医療支援活動で直面する「困難さ」を明らかにするための質問紙調査を実施した。264名(男性198名、女性66名、平均年齢40.4歳)の有効回答が得られた。国際的な災害医療支援活動で直面する困難さを定量的に評価する指標としてHumanitarian Aid Difficulty Scale(HADS)を作成し、使用した。分析の結果、HADSは23項目5因子で構成される尺度が適当であった。HADSのクロンバックのα係数は尺度全体で0.88、各下位尺度で0.74から0.84の範疇であった。HADSは十分な内的一貫性を確保していると考えられた。質問項目の妥当性について検討するためにプレテストを実施し、専門家で質問項目の検討と修正を行った。項目間の相関係数は0.8未満であり、内容的妥当性も確保できたと考えられた。