2018年3月
リスク・ベネフィットコミュニケーションの新たな展開-安全性情報が十分に伝達され理解されるために- エビデンスに基づくリスク・ベネフィットのコミュニケーション SDM<共有意思決定に向けて>
薬学雑誌
- 巻
- 138
- 号
- 3
- 開始ページ
- 331
- 終了ページ
- 334
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1248/yakushi.17-00185-5
- 出版者・発行元
- (公社)日本薬学会
リスク・ベネフィットのコミュニケーションとしてのShared decision making(SDM)について概説した。医療において患者の価値観を尊重する社会的要請の高まりとEBMの普及を背景に、臨床的な意思決定、患者と医療者の合意形成の手法として近年、SDMが注目されている。SDMは日本語で協働的意思決定、患者参加型医療、共有意思決定などとされるが、まだ定訳はない。SDMの過程は双方向的で、相互作用を持つものであり、医療者が相手を「自分に合わせるように変えていく(医療者が提示した方針に患者が同意する)」ことではなく、医療者と患者が「ともに変わっていく」過程が意味を持つ。SDMで重視されることは、「同意した・しない」という固定された結果ではなく、患者と医療者が共有する過程それ自体と両者の関係性の構築であると言える。
- ID情報
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- DOI : 10.1248/yakushi.17-00185-5
- ISSN : 0031-6903
- 医中誌Web ID : S308270009