1990年 - 1992年
三国志に記された東アジアの言語および民族に関する基礎的研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 一般研究(B)
第1年度(平成2年度)(1)本研究の出発点である『三國志』の「魏志」「烏丸鮮卑東夷傳」の解明に「魏志」全体の文献学的研究を行なった。そのため「魏志」の文を大量に引用している宋代の類書『太平御覧』所引のテキストと通行本『三國志』のテキストの対比して、その異同を検討し、コンピュータを利用してその対照表を作成した。(2) (1)で得られた対照表を利用して「魏志」に記載された諸民族に関する情報をコンピュータによって索引化した。第2年度(平成3年度)(1) 対照表によりテキストの対校を行なったが、その過程で『三國志』の原資料に記事の混乱が認められた。殊に「韓傳」の「辰韓・弁辰」の条は「魏人傳」とは時代を異にする状態の記述が混在していることが分かった。(2) 各民族の詳細な索引を作っている中で、たとえば「單于」という首長の称号が、匈奴と同系の烏丸・鮮卑にも見られることが分かった。当該年度・第3年度(平成4年度)には第1年度および第2年度の調査
- ID情報
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- 課題番号 : 02451066
- 体系的課題番号 : JP02451066