2008年4月
「製薬とインテリジェンス:CI能力は製薬企業の研究開発に影響を与えるか」
研究・技術計画学会 研究技術計画
- 巻
- 23
- 号
- 1
- 開始ページ
- >36-42
- 終了ページ
コンペティティブインテリジェンス(CI)能力は,外部情報を意思決定や戦略に生かす体系的なプログラムのことであり戦略立案のための能力とである。特に知識集約型の産業ではCI能力が重要であると言われるが,製薬はその典型的な産業であろう。本稿では,国内製薬企業の調査から研究開発型製薬企業の研究開発能力に対して,研究開発資本力(人的資本力および金銭的資本力),CI能力,外部資源活用指向性のそれぞれがどの程度の影響を与えるかを検討した。その結果,CI能力が重要な成功要因であり,その重要性は,研究開発能力を規定する最も基本的な要素とも言える研究開発資本力を上回っていた。今回は外部資源活用指向性と研究開発能力との関連は見いだされなかったが,その理由としては,他社特許の使用,技術提携の利用,アウトソーシングの実施,ベンチャー企業の活用が「常に」利用されるかどうかという視点で調査をしたことに影響を受けたものと考えられ,医