共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

COVID-19診療現場の看護師が抱える心理的負担の要因

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K11140
体系的課題番号
JP21K11140
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
1,820,000円
(直接経費)
1,400,000円
(間接経費)
420,000円

本研究の目的はパンデミック初期においてCOVID-19感染者に対応した看護師の不安や看護上の課題を明らかにすることである。岡山県が実施した自記式アンケートの自由記載全文の内容および回答者の背景因子について、KHcoderを用いて計量テキスト分析を行い、看護師の心理的負担の要因についての探索的検証を行う。対象者は2020年6月までに岡山県で発生した新型コロナウイルス感染症の26症例目までを受け入れた岡山県内の9病院の看護師のうち、岡山県新型コロナウイルス感染症対策本部が各医療機関に配布した調査票に回答した看護師159人である。今年度はまずは紙媒体の手書きの自由記載文を全文エクセルにまとめ、選択肢項目も含めたデータセットの作成を行った。次に対象者の属性の記述を行うとともに、質問項目の自由記載のうち、下記の3項目に着目し解析を行った。1)受入:コロナ陽性患者を受け入れることについて、2)課題:課題・改善が必要だと感じたこと、3)提案:今後に向けての提案。これら3項目について形態素分析により頻出単語を上位150単語を抽出し、共起ネットワークを作成し共起関係、クラスターの描画を確認した。次に対応分析により勤続年数による使用語句の差異を示した。解析結果から、受け入れについては、不安や不満が強かったことが示された。勤続5年未満では「しょうがない」、勤続10-20年では「不満・負担」が強く、勤続20年超では「当然」という語句の特徴がみられ、COVID-19患者への看護対応においてはどのような役割を担っているかによって意見が異なると思われた。課題については、COVID-19に対応していない部署との感染対策の差や、現場の看護師のメンタルヘルス対応が必要であることが示された。提案については、メンタルヘルス対応や現場の意見を聴く機会を作ることが多く提案されていることが明らかとなった。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K11140
ID情報
  • 課題番号 : 21K11140
  • 体系的課題番号 : JP21K11140