基本情報

所属
静岡県立大学 大学院薬学研究科 創薬探索センター 准教授
学位
博士(工学)(東京工業大学)

J-GLOBAL ID
200901052146038784
researchmap会員ID
5000099830

私は研究生活を、遺伝子発現における転写反応の制御機構解析から始めました。その後、疾患関連遺伝子産物の機能解明を経て、現在は細胞周期M期、有糸分裂を標的とした阻害化合物の創製研究を行っています。

私は、kinesin-5(KSP、Eg5)やCENP-Eといったキネシンの酵素活性を標的にした化合物スクリーニングを行い、新しいM期阻害化合物を同定してきました。見つけた低分子化合物をもとに、メディシナルケミストリー研究者と共に構造活性相関研究を進め、より選択性と強い活性を持つ化合物を開発しました。これまでに、異なる阻害様式を持つkinesin-5阻害化合物を創製し、構造生物学研究者と協力してタンパク質-阻害化合物複合体の結晶構造を解析し、低分子化合物によるキネシンモータードメインの阻害作用の理解を深めてきました。また、蛍光団をファーマコフォアとした有糸分裂阻害剤の創製研究も行い、阻害化合物の細胞内での分布様式について理解を深めてきました。さらに、有糸分裂における染色体の紡錘体赤道への移動を阻害する低分子化合物を発見しました。

最近では、発見した有糸分裂阻害剤を分子プローブとして利用し、有糸分裂の分子生物学研究を行っています。微小管と染色体の適切な結合は、娘細胞への遺伝情報の正確な伝達に非常に重要であり、この過程の理解は細胞周期研究だけでなく、発がんの仕組みや、癌の予防および治療にも貢献すると考えています。kinesin-5阻害剤では異なる作用機序を持つ2種類の阻害剤を開発したことから、kinesin-5を異なる状態で機能停止させることができました。これにより、染色体周辺から微小管が形成される分子機構の解明を目指しています。また、発見した染色体整列を阻害する低分子化合物を用いて、キネトコアにおける微小管モーター分子の活性調節機構の解明を目指しています。


主要な論文

  46

主要なMISC

  27

主要な講演・口頭発表等

  44

共同研究・競争的資金等の研究課題

  4

産業財産権

  12