1993年4月 - 1994年3月
ステップ系の統計力学と結晶形のダイナミクス
日本学術振興会 科学研究費助成事業 重点領域研究 重点領域研究
・TSK(terrace-step-kink)描像にもとづきvicinal surfaceを紐状ステップの多体系とみなし,統計力学的に調べた。単一ステップのゆらぎ幅の二乗平均<W^2(y)>はyをステップに沿った距離とし,ステップ密度をrhoとして,yが十分に大きいところで漸近的に<W^2(y)>〜A(rho)lnyであることが理論的に示された。ここで係数A(rho)はfree fermionモデルではA(rho)=(pirho)^<(-2)>となる。
・<W^2(y)>と表面高さ高さ相関関数との一般的関係を表面張力波モデルにより示した。この関係式により結晶平衡形のファセット端におけるユニバーサルなとびと<W^2(y)>のユニバーサルなふるまいとの関係が明らかにされた。
・弾性力によるステップ間相互作用がある場合,相互作用係数をgとしてSutherlandモデルの厳密解より,A=A(rho,g)を厳密に得た。すなわち,ステップゆらぎ幅の観測から,微視的な相互作用係数gを実験的に得る方法を開発した。
・free fermionモデル,SOS(solid-on-solid)ステップモデルについてステップゆらぎ幅のモンテカルロ計算を行い,rho→0でのユニバーサルなふるまいが確認された。free fermionモデル多体系では,高い精度で理論値と一致した。厳密に解けない例としての,SOSステップ多体系についてはrho≠0でA(rho)=(pirho)^<-2>・f(rho)としたときのf(rho),すなわち,ゆらぎ幅のステップ密度依存性が求まった。
・2成分定比化合物におけるステップ張力を,モンテカルロ計算や実験観測を行うことを考え,微視的なキンク・エネルギー,ステップエッジ・エネルギーを考察した。さらに,有限温度でのステップの形状をランダムウォークとみなし,異方的ステップ自由エネルギー,2次元結晶平衡形,ステップ・スティフネスおよびステップ・エントロピーを計算した。
・<W^2(y)>と表面高さ高さ相関関数との一般的関係を表面張力波モデルにより示した。この関係式により結晶平衡形のファセット端におけるユニバーサルなとびと<W^2(y)>のユニバーサルなふるまいとの関係が明らかにされた。
・弾性力によるステップ間相互作用がある場合,相互作用係数をgとしてSutherlandモデルの厳密解より,A=A(rho,g)を厳密に得た。すなわち,ステップゆらぎ幅の観測から,微視的な相互作用係数gを実験的に得る方法を開発した。
・free fermionモデル,SOS(solid-on-solid)ステップモデルについてステップゆらぎ幅のモンテカルロ計算を行い,rho→0でのユニバーサルなふるまいが確認された。free fermionモデル多体系では,高い精度で理論値と一致した。厳密に解けない例としての,SOSステップ多体系についてはrho≠0でA(rho)=(pirho)^<-2>・f(rho)としたときのf(rho),すなわち,ゆらぎ幅のステップ密度依存性が求まった。
・2成分定比化合物におけるステップ張力を,モンテカルロ計算や実験観測を行うことを考え,微視的なキンク・エネルギー,ステップエッジ・エネルギーを考察した。さらに,有限温度でのステップの形状をランダムウォークとみなし,異方的ステップ自由エネルギー,2次元結晶平衡形,ステップ・スティフネスおよびステップ・エントロピーを計算した。
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- 課題番号 : 05211221
- 体系的課題番号 : JP05211221
この研究課題の成果一覧
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論文
2-
Journal of the Physical Society of Japan 65(5) 1233-1242 1996年5月 査読有り筆頭著者責任著者
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JOURNAL OF THE PHYSICAL SOCIETY OF JAPAN 64(3) 736-756 1995年3月 査読有り筆頭著者責任著者