MISC

2017年11月

身体消費エネルギー量と総白血球数、白血球分画の関係(Association of Total and Differential White Blood Cell Counts with Physical Energy Expenditure)

東京女子医科大学雑誌
  • 大屋 純子
  • ,
  • 中神 朋子
  • ,
  • 内藤 義彦
  • ,
  • 遠藤 康弘
  • ,
  • 内潟 安子

87
臨増2
開始ページ
E207
終了ページ
E216
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.24488/jtwmu.87.Extra2_E207
出版者・発行元
東京女子医科大学学会

【背景】総白血球数(WBCC)上昇は心血管疾患(CVD)予測の簡便な炎症マーカーである。身体活動量の増加によりCVD発症予防が期待されるが、身体活動量とWBCCとその分画の関連についての報告は少ない。【目的】各種身体活動の1日の体重当たり消費エネルギー量(EE)とWBCC、白血球分画との関連を横断的に検討する。【方法】対象は、就業中の25-69歳の非糖尿病、高血圧や脂質異常症の薬物療法を受けていないドック受診者1,230名(男性953名、平均年齢49±8歳、平均BMI 23.5±3.3kg/m2)である。身体活動質問票を用いて過去1ヵ月間の身体活動内容を調査し、男女別に睡眠、仕事、運動、非活動、合計のEEを算出した。EEとWBCCの間で相関を認めた活動毎に、WBCCか白血球分画高値(4分割の最上位)を目的変数、活動のEEを説明変数としたロジスティック回帰モデルを用いて、活動のEE(G1-4に4分割)の独立した関連性を分析した。【結果】合計EEはWBCCと一定の傾向を示さなかったが、男女ともに運動EEとWBCCは負の相関、男性でのみ睡眠EEとWBCCに負の相関を認めた。睡眠EEの4分位でWBCC、白血球分画には一定の傾向は見られなかったが、運動EEの4分割(運動なし:G1、する者で3分位:G2-4)では、仕事EE、睡眠EE、年齢、BMI、臍周囲径、飲酒、喫煙、インスリン濃度、女性ではさらに閉経で調整後も、男性ではWBCCと好中球数が、女性では好中球数が、活動量の増加にともなって低下した。男性で、運動EEのWBCC高値に対するオッズ比は、G1と比較しG2→G4に向け、0.87,0.68,0.50(Trend p=0.019)、好中球高値に対するオッズ比は0.87,0.68,0.49(Trend p=0.026)であった。同様の解析を女性で行ったが有意な傾向はなかった。男性では運動EEが1.49kcal/kg/day(=G4)以上でWBCC、好中球数高値のリスクが有意に上昇していた。【総括】男性では運動EEと白血球数、特に好中球数との負の関連性が認められた。(著者抄録)

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.24488/jtwmu.87.Extra2_E207
ID情報
  • DOI : 10.24488/jtwmu.87.Extra2_E207
  • ISSN : 0040-9022
  • 医中誌Web ID : 2018122189

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