2005年 - 2006年
うつ病治癒機転に関与する新規遺伝子ADRG34の小胞体ストレス防御機構の研究
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 17591234
- 体系的課題番号
- JP17591234
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
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- (総額)
- 3,700,000円
- (直接経費)
- 3,700,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
これまで我々は、抗うつ薬の奏効機転に関与するラット脳内遺伝子を網羅的に探索してきた(antidepressant related gene : ADRG#1-707)。その中でADRG#34は、抗うつ薬、電気けいれん負荷、経頭蓋的磁気刺激負荷等の全く異なるうつ病治療法において共通して発現増加することが明らかとなり、うつ病の治癒機転に重要な蛋白であると考えられた。ADRG#34の細胞内局在を検討するためにv5-His6標識ADRG#34を構築し、HEK293細胞に発現させ免疫染色にて観察した。その結果、小胞体マーカーであるBipと共に小胞体に局在していたが、ゴルジ体マーカーであるgiantinとの共局在は認められなかった。このことからADRG#34は細胞内小胞体に局在することが明らかとなった。ADRG#34のモチーフ検索を行った結果、RING-H2 finger motifを有することが明らかとなった。本モチーフを有するタンパク質は、小胞体に蓄積された異常タンパク質を分解・除去するための小胞体品質管理システムにおいて、異常タンパク質に分解シグナル(ユビキチン)を付加するユビキチンリガーゼ(E3)の機能を有するものが多く報告されている。そこでユビキチンリガーゼとしての機能を有するかを検証した。in vitro ubiquitin assayの結果、E1、E2存在下、ATPに依存的にポリユビキチン鎖の形成が認められた。またHEK293細胞にプロテアソーム阻害剤MG-132を添加し免疫沈降を行った結果、経時的にポリユビキチン鎖の形成が認められ、in vivoにおいてもE3としての機能が認められた。以上のことからADRG#34は虚血やストレス下で増加する凝集性のunfoldingタンパクを分解除去を行う小胞体品質管理機構において重要な機能を有することが示された。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 17591234
- 体系的課題番号 : JP17591234