講演・口頭発表等

2017年9月16日

市民データから推定した茨城県龍ケ崎市のコジュリン繁殖期個体数

日本鳥学会2017年度大会
  • 伊東 宏樹
  • ,
  • 岸 久司

記述言語
日本語
会議種別
ポスター発表
主催者
日本鳥学会
開催地
つくば市

茨城龍ケ崎市にはコジュリン(絶滅危惧II類)の繁殖地があるが、個体数の減少が懸念されている。同市を拠点とする龍ケ崎バードウオッチングクラブ(RBWC)は、市全域について2014年までの10年間にわたり鳥類のセンサスを行なった。そのうちの繁殖期(5・6月)のコジュリン観察個体数をもちいて、市域におけるコジュリンの個体数を推定した。推定にあたり、以下の仮定をおいた。
(1)5月と6月の個体数は一定であり、それらのうちの一部の個体が、ある確率で観測される。(2)調査区ごとの個体数はゼロ過剰ポアソン分布にしたがう。(3)年ごとの個体数の推移は状態空間モデルとして、個体数の潜在状態が、前年の個体数から一定の分散をもつノイズ成分が加わって変化するとした。
以上の仮定を統計モデルとしてまとめ、MCMC法により個体数のベイズ推定を行なった。その結果、個体数の事後分布の中央値は20〜50前後と推定された。個体数の潜在状態は減少から横ばいの傾向にあるようにみえたが、不確実性が大きいために確実な結論を述べることはできなかった。