共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

ESIPT型蛍光プローブを用いた水素結合力定量分析法の構築

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K05121
体系的課題番号
JP21K05121
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

本研究は、化学的相互作用の一つである‘水素結合力’を定量的に分析するための新手法の開発を目的としており、我々は蛍光分子2-(2’-hydroxyphenyl)benzimidazole(HBI)を用いた簡易かつ高精度な蛍光分析法による水素結合力解析法の構築を目指している。令和3年度は、(1)HBIへの官能基導入による誘導体合成とその蛍光特性分析、(2)高分子及び固体試料へのHBIの適切な導入方法の検証、(3)水素結合力とナノ構造を同時評価するための装置(蛍光-中性子反射率同時測定装置)の開発を実施しており、それらの結果について具体的な内容を以下に示す。
(1)HBIへの官能基導入による誘導体合成とその蛍光特性分析:3種類のHBI誘導体を合成し、官能基修飾によるHBIの親水・疎水化を達成した。また、そのうち2種類のHBI誘導体について蛍光特性分析し、官能基導入が水素結合力の蛍光分析に悪影響を及ぼさないことが確認された。
(2)高分子及び固体試料へのHBIの適切な導入方法の検証:高分子へのHBIの適切な導入方法を検証し、2×10-4 wt% 程度のHBI導入量でも高分子の水素結合力の定量的分析が可能であることを明らかにした。
(3)蛍光-中性子反射率同時測定装置の開発:装置全体の設計を行い、試料封入セルなどの一部機器類については年度内に整備とテスト実験を実施した。
上記のように、HBI誘導体の合成、蛍光特性分析、装置の開発は順調に進んでおり、一部の成果については学術論文及び国際会議等で報告している。令和4年度は蛍光-中性子反射率同時測定装置の開発を進め、そのテスト運用と高度化を実施する。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K05121
ID情報
  • 課題番号 : 21K05121
  • 体系的課題番号 : JP21K05121