硝酸水溶液中での三価アメリシウムの光酸化
第36回化学反応討論会
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- 開催年月日
- 2021年6月
- 記述言語
- 英語
- 会議種別
- 開催地
- online
- 国・地域
- 日本
ランタノイドとアクチノイドの分光学的な特徴の一つは、f電子準位間の光学遷移であるf-f遷移を可視域にもつことである。f-f遷移は溶液中でも線幅が狭く、元素固有の波長に現れる。この波長で多光子励起すると、条件によっては酸化還元反応が誘起されることが3種のランタノイド(Sm, Eu, Yb)で報告されている。この光化学過程は元素分離に応用できる可能性があるため、本研究ではAmの酸化状態の制御を試みた。結果として、Am$^{3+}$の$^{5}$L$_{6}$ $\leftarrow$ $^{7}$F$_{0}$遷移に相当する503nmのナノ秒OPOレーザーをAm硝酸溶液に集光照射することで、AmO$_{2}$$^{+}$への酸化を引き起こすことに初めて成功した。反応物と生成物の同定と定量は吸収分光法により行った。励起光の波長依存性とフルエンス依存性の結果から、この酸化が共鳴多光子過程によって誘起されたことを確認した。