講演・口頭発表等

福島第一原子力発電所2号機トーラス室滞留水の$\alpha$核種分析,4; SEM-EDXおよびアルファトラック法による$\alpha$核種を含有する微粒子の検出

日本原子力学会2021年秋の大会
  • 蓬田 匠
  • ,
  • 大内 和希
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  • 岡 壽崇
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  • 北辻 章浩
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  • 駒 義和
  • ,
  • 今野 勝弘*

開催年月日
2021年9月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
札幌(online)
国・地域
日本

2号機トーラス室の滞留水には、燃料由来と考えられる$\alpha$核種が含まれていることが、ICP-MS及び$\alpha$線スペクトロメトリの分析結果から明らかになっている。これらの$\alpha$核種の存在形態を知るために、燃料主成分であるUと、他の$\alpha$核種(Pu, Am, Cm等)に大別し、走査型電子顕微鏡-X線検出(SEM-EDX)およびアルファトラック法により、$\alpha$核種含有粒子の検出を試みた。最深部滞留水から回収した微粒子状固形分の一部をカーボンテープ上に薄く塗布して観察試料とした。SEM-EDXによる観察の結果、Uを含有するサブ$\mu$mから数$\mu$mサイズの粒子を複数同定できた。これらの粒子はZrなどの燃料被覆管や構造材に由来する元素を含んでおり、微粒子化した燃料デブリの可能性を示唆する。アルファトラック分析により同定した$\alpha$核種含有粒子は、粒径数10$\mu$mから数100$\mu$mのサイズであり、SEM-EDXにより元素分析したところ、鉄を主成分としていた。$\alpha$核種の物質量は極わずかであることが示唆され、Pu, Am, Cm等が鉄粒子上に付着する形態で存在すると考えられる。このことから、Uと他の$\alpha$核種の存在形態は異なることが明らかになった。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5071761