共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

レーザー誘電体スイッチ型卓上マイクロビーム源の開発と応用

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

課題番号
17H01071
体系的課題番号
JP17H01071
配分額
(総額)
43,420,000円
(直接経費)
33,400,000円
(間接経費)
10,020,000円

卓上マイクロイオン加速システムのメインのコンポーネントのイオン源、高速スイッチ、加速管のプロトタイプを作製し、それぞれの動作テストを行った。イオン源では、レーザーイオン源を開発し、そこから十分なイオン電流が得られ、また炭素の6価イオンまで生成できることを確認した。高速スイッチでは光伝導スイッチを開発した。そのオン抵抗は5Ω程度と非常低い値となった。立下り時間に関しては、印加電圧が高いほど性能が下った。これは、印加電圧が高いと半導体基板内でアバランシェが起きているためである。耐電圧に関しては15kV以上となり、目標を達成できた。アルミニウム製の加速管を開発し、それへのパルスの透過および反射を測定した結果、パルスパワーが 90%透過していた。これによりイオン加速システムに組み込むことができることを確認した。今後の課題は、光伝導スイッチの立下り特性を上げること、加速器の各コンポーネントを組み合わせたものを用いて実際に炭素イオンを加速させることである。
ガラスキャピラリーマイクロビームDNA損傷分析につき、理化学研究所にてガラスキャピラリーを製作し、細胞照射実験の第一回目を実施した。γH2AX分析でDNAの二本鎖切断の存在を確認し、その結果の分析を行っている。今後はAc225α線がん治療を想定して、He2+マイクロビームで細胞照射し、GFP-XRCC1等で一本鎖切断の、γH2AXによる二本鎖切断の観察と相関を分析する。さらに次世代シーケンサによってどの遺伝子が損傷したか分析を行う。
イオンビームによるDNA損傷誘発の初期過程を生化学分析により観察し始めた。鎖切断(一本鎖節単及び二本鎖切断)が起こると高次構造が大きく変化するため、鎖切断を高感度で検出可能な大腸菌プラスミドDNA(pUC18)を試料とした。量研機構放医研のHIMACでイオンビーム照射を行い、鎖切断の収率について調べ始めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H01071
ID情報
  • 課題番号 : 17H01071
  • 体系的課題番号 : JP17H01071

この研究課題の成果一覧

論文

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