共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

肥満と老化による代謝変化を慢性炎症に変換する新規病態制御機構の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)
  • 緒方 正人
  • ,
  • 竹林 慎一郎
  • ,
  • 大隈 貞嗣

課題番号
17K08879
配分額
(総額)
4,680,000円
(直接経費)
3,600,000円
(間接経費)
1,080,000円

生活習慣病やがんなどに慢性炎症が関わること、また、肥満が脂肪組織の慢性炎症を生じることや、細胞老化が老化随伴分泌現象によって炎症環境を提供することが示されてきている。従って、肥満や老化が慢性炎症を介して生活習慣病やがんなどの疾患と関連する可能性が考えられる。肥満や細胞老化が慢性炎症に至る機構は完全には解明されていないが、糖代謝系の遺伝子異常がエピジェネティックな機構を介してがん化を生じることや、糖尿病の高血糖に伴いエピゲノム変化が生じることから肥満や老化における代謝変化がエピゲノム変化を介して慢性炎症に影響を及ぼし、それが疾患の原因や増悪因子になる可能性が考えられる。
昨年度に細胞老化研究に応用可能なことを確認した老化促進Klothoモデルマウスを用いて、慢性炎症環境が病態に関わる可能性を検討した。p38 MAPキナーゼ経路は炎症を促進し、老化随伴分泌現象にも関わると報告されている。そこでこのモデルマウスにp38 MAPキナーゼの阻害剤を投与したところ、平均寿命、最大寿命がともに延長され、この経路が慢性炎症を介して老化関連病態に関与する可能性が示された。
一方、老化細胞のin vitro解析では、昨年度RBが糖代謝系の変化やエピゲノム変化を引き起こすことを示した。今後細胞老化の代謝変化がゲノム構造にどのように影響を及ぼすかを解析する必要があり、そのため単一細胞で遺伝子構造の変化を網羅的に検出できる新手法を開発した。DNAの複製は多くの複数起点から様々なタイミングで開始されるが、DNA複製開始やフォークの進行が協調して制御される染色体単位があり、複製ドメイン構造を取っている。ゲノム機能に関わる構造変化を、複製ドメインの変化としてとらえることができ、今後この手法を用いることで、限られた数の細胞からゲノム構造変化を網羅的に明らかにできると期待される。

ID情報
  • 課題番号 : 17K08879