共同研究・競争的資金等の研究課題

2002年 - 2004年

造血幹細胞の転写因子GATA-2の転写調節機構と発癌

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
02J06024
体系的課題番号
JP02J06024
配分額
(総額)
3,600,000円
(直接経費)
3,600,000円

造血幹細胞の自己複製維持に必要と考えられる転写因子GATA-2の発現制御機構を解析した.GATA-2遺伝子の発現をGFPレポーター蛋白質で解析可能なトランスジェニックマウスを作成し,9.5日胚,13.5日胚において,それぞれpara-aortic splanchnopleura,胎児肝でのGFP遺伝子の発現を解析した.その結果,GATA-2遺伝子の転写制御に必須なシスエレメントを複数同定することに成功した.9.5日胚についてはGATA因子が大きく貢献するエレメントを同定し,報告した.他の2つについては,胎児肝を用いたIn vivo footprinting法によっても何らかの結合因子が生体内で機能している可能性が示された.現在,クロマチン免疫沈降法によって,その領域に結合する因子の同定を進めている.また,トランス因子の絞り込みが難しいエレメントについてはOne-hybrid法を行っている.現在までに機能している可能性のある候補因子として同定したもののうち,2つについては造血幹細胞レベルで機能していることが既報により報告されているが,他の一つの因子については,未だ造血幹細胞での機能は報告されておらず,新規に造血幹細胞の活性を左右しうる因子を同定した可能性がある.これらの発現過剰状態や抑制状態をレトロウイルスベクターを用いて作製し,細胞株において検討することは生体での造血細胞形成の試験管内制御モデルの実現にむけての.今後の課題である.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-02J06024
ID情報
  • 課題番号 : 02J06024
  • 体系的課題番号 : JP02J06024