2015年4月 - 2018年3月
ADHDを伴う治療抵抗性自閉症モデルマウスの確立とその分子病態の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
自閉症リスク遺伝子として知られているKirrel3遺伝子の欠損マウスを作成し、その行動解析を行った結果、自閉症様の行動に加えて、多動(ADHD様行動)を伴うことを見いだした。さらにKirrel3欠損マウスにおいて、小脳や副嗅球のシナプス部の構造異常を見いだした。これらの結果から、Kirrel3遺伝子欠損による小脳や嗅覚神経回路・シナプス回路の形成異常は、ADHDを伴う自閉症様行動の発現に関与している可能性が考えられた。ADHDを伴う治療抵抗性の自閉症患者で異常となる脳領域・神経回路に関しては不明であり、本研究結果はADHDを伴う自閉症の病態解明につながる重要な知見を提供すると考えられる。
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- 課題番号 : 15K09873
- 体系的課題番号 : JP15K09873