2010年 - 2012年
余剰次元に基づくカイラルフェルミオン生成の新しい機構と階層性問題の解決
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 22540281
- 体系的課題番号
- JP22540281
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
-
- (総額)
- 2,730,000円
- (直接経費)
- 2,100,000円
- (間接経費)
- 630,000円
- 資金種別
- 競争的資金
標準模型におけるヒッグス粒子はゲージ対称性の破れとフェルミオンの質量の起源となる重要な役割を担っているが、ヒッグス粒子はスカラー粒子なのでゲージ階層性問題を引き起こすことがわかっている。その解決として、高次元ゲージ・ヒッグス統一模型が提唱された。しかしながら、最も簡単な模型はヒッグス粒子の質量が軽くなりすぎて実験と矛盾することが指摘された。その問題を解決するために、余剰次元方向に高階微分項を導入した模型を我々は提唱し、その結果、量子補正が通常の場合に比べて非常に大きく、軽いヒッグス粒子質量の問題が解決可能であることを明らかにした。標準模型は最終的な理論とは考えられておらず、多くの問題と謎が残されたままである。例えば、1)ゲージ対称性の破れの起源となるヒッグス粒子の質量二乗はなぜ負なのか? 2)なぜフェルミオンはすべてカイラルフェルミオンなのか? 3)フェルミオン質量の間に大きな階層性があるのはなぜか? これらの問題を、4次元場の理論の枠組みの中で自然に解決することは難しい。そこで、余剰次元として1次元線分をもつ5次元ゲージ理論の一般的な枠組みの中で、一般的な性質として、1)~3)の性質が自然と理論の中に組み込まれていることが明らかになった。今年度は具体的な5次元模型を提唱し、現象論的に実験結果を再現できるかを数値的に解析した。まだ、完全には解析が終わっていないが、定性的にはうまくいっていることが示されている。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 22540281
- 体系的課題番号 : JP22540281