2021年7月 - 2023年3月
学修意欲向上のためのVRと実技演習による革新的な建築施工教育システムの構築
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
近年,大学中途退学者の増加が問題となっており,修学意欲喪失を退学理由とするケースが顕著である。この解決のひとつに身体感覚を伴う体験型授業が有効であると考えられるが,建築学において体験型授業と親和性の高いと考えられる建築工事現場での学修は,安全面から座学のみに留まっている。
本研究は,大学生の修学意欲向上を図るための革新的な体験型授業の創出を試みるものであり,建設現場の経験工学に基づいた人工現実感(VR)建設現場シミュレータによる仮想演習と,VR建設現場を模擬した施工演習とのハイブリッド型の建築施工教育システムを構築し,その学修効果や意欲の変化を視覚性課題遂行時の注意機能から検証するものである。
本年度は,下記の2点について研究を進めた。
(1)建築系大学生を対象として,作業能率の実態および製作活動が作業能率に及ぼす影響 について測定した。その結果,建築系大学生の作業能率についての現状として,時間・動作回数共に付随作業や非作業の割合が高く,個人差が大きいことなどの傾向があることがわかった。また,製作活動による作業能率への影響として,付随作業や非作業が減るだけでなく,習熟によって学生の個人差が収束に向かう傾向にあることがわかった。
(2)現実には危険のないVR建設現場シミュレータを試作し,そこで被験者に代表的な建築作業を仮想体験させるとともに,不定期に発生する労働災害を体験させるシステムを構築した。その際,脳波および脈波のモニタリングによって自律神経系の機能解析および心拍変動解析を行い,視覚性課題遂行時の注意機能のデータを取得した。
本研究は,大学生の修学意欲向上を図るための革新的な体験型授業の創出を試みるものであり,建設現場の経験工学に基づいた人工現実感(VR)建設現場シミュレータによる仮想演習と,VR建設現場を模擬した施工演習とのハイブリッド型の建築施工教育システムを構築し,その学修効果や意欲の変化を視覚性課題遂行時の注意機能から検証するものである。
本年度は,下記の2点について研究を進めた。
(1)建築系大学生を対象として,作業能率の実態および製作活動が作業能率に及ぼす影響 について測定した。その結果,建築系大学生の作業能率についての現状として,時間・動作回数共に付随作業や非作業の割合が高く,個人差が大きいことなどの傾向があることがわかった。また,製作活動による作業能率への影響として,付随作業や非作業が減るだけでなく,習熟によって学生の個人差が収束に向かう傾向にあることがわかった。
(2)現実には危険のないVR建設現場シミュレータを試作し,そこで被験者に代表的な建築作業を仮想体験させるとともに,不定期に発生する労働災害を体験させるシステムを構築した。その際,脳波および脈波のモニタリングによって自律神経系の機能解析および心拍変動解析を行い,視覚性課題遂行時の注意機能のデータを取得した。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K18526
- 体系的課題番号 : JP21K18526
この研究課題の成果一覧
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MISC
2-
建設機械 59(1) 19-25 2023年1月 招待有り筆頭著者責任著者
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コンクリート工学 60(6) 548-553 2022年6月1日 招待有り筆頭著者責任著者