共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年10月 - 2024年3月

高効率窒素除去プロセスの温室効果ガス削減に向けた亜酸化窒素還元細菌の全容解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))  国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))

課題番号
20KK0243
体系的課題番号
JP20KK0243
配分額
(総額)
18,590,000円
(直接経費)
14,300,000円
(間接経費)
4,290,000円

高効率N2O還元細菌の高度集積化と分離培養を行った。連続通水式のバイオリアクターを用いてN2O還元細菌の集積化を継続した。炭酸塩を炭素源とする無機培地とN2Oガスの連続供給により、N2O非添加のバイオリアクター(対照系)で集積された微生物群集と比較して、優位に増殖している細菌群を選出した。特に、Chloroflexi属に分類される種がN2Oを主に消費している可能性を明らかにした。この種の分離培養に向けた集積バイオマスの前処理方法の検討を進めた。集積バイオマスのメタトランスクリプトミクス解析を開始し、N2O還元細菌の炭素の代謝機構の解明を目指した。
また、実験室規模のアナモックスリアクターを運転し、N2O生成・消費の収支を明らかにした。リアクターから放出されるN2Oは流入窒素の1.5%に達し、溶存態とガス態の割合は同等であった。今後、N2Oの削減を目指し、細菌の活性検出と活性化条件の検討を行う。
15Nトレーサー法とオミックス解析を組み合わせ、脱窒細菌のN2O生成・消費機構の解明を目指した研究を進めた。電子受容体としての硝酸イオンとN2Oが共存する嫌気条件で、いずれかの電子受容体を優先的に利用する細菌、双方の電子受容体を均等に使う細菌が存在することを明らかにした。トランスクリプトミクス解析により、このような3つの脱窒の表現型は、遺伝子転写のみでは合理的に説明できないことを示した。
N2Oを優先的に電子受容体として利用するN2O還元細菌の高密度固定化が可能なゲルの作製に着手した。N2Oの拡散性が高いゲルの材料およびゲル作製の方法について検討を進めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20KK0243
ID情報
  • 課題番号 : 20KK0243
  • 体系的課題番号 : JP20KK0243