2001年
腹部大動脈瘤症例における術前冠動脈造影と冠血行再建術の有用性
日本心臓血管外科学会雑誌
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- 巻
- 30
- 号
- 2
- 開始ページ
- 63
- 終了ページ
- 67
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.4326/jjcvs.30.63
- 出版者・発行元
- The Japanese Society for Cardiovascular Surgery
待機的腹部大動脈瘤 (AAA) 症例に対する術前冠動脈造影 (CAG) と冠血行再建術の有用性を検討した. 1995年1月から1999年11月までの待機的AAA手術53例に術前 routine CAG施行したところ, 23例 (43%) に有意冠動脈狭窄を認め, さらに無症候性心筋虚血を10例 (19%) に認めた. 冠動脈狭窄を有するものには, 負荷心筋シンチを行い, 術前冠血行再建の適応を判断した. 虚血性心疾患合併例の12例に対してCABG 4例, PTCA 8例の術前冠血行再建を施行した. CABGとPTCAによる死亡はなかった. AAA手術死亡を1例 (2%) のみに認め, 原因は腸閉塞より多臓器不全合併による死亡であった. その他, CADに起因する合併症はみられなかった. 以上のことより, 待機的AAA症例では全例にCAGを施行し, 周術期心筋梗塞の合併が危惧される症例には術前冠血行再建を施行することが, 重要であると考えられた.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.4326/jjcvs.30.63
- ISSN : 0285-1474
- ISSN : 1883-4108
- CiNii Articles ID : 10013205609