Norihiro Nakamura

2023年9月5日，オンラインにて環境科学研究科の教育FDを大学教育支援センター教員として対応。内容は「理系の研究室主催者の役割とリーダーシップ」。

2023年8月1日にTF研修を5名の受講者に対して実施した。

2023年6月29日に仙台国際センターにて，高校教員向けの入試説明会を実施し，東北大学の新しい全学教育カリキュラムについて説明した。

東北大学の全学教育改革の概要説明

原子力施設周辺の断層の活動性については、原子炉施設の地盤や耐震安全性評価の基礎となる基準地震動の策定に大きく影響することから、その評価に当たっては、科学的な根拠に基づき活動年代を特定することが重要である。現在の安全審査における主な断層の活動性判定手法である上載地層法では、断層の活動時期の特定が困難な場合もあることから、上載地層法以外の方法による断層等の活動性判定手法の調査・研究を行う必要がある。上載地層法以外の方法による活動性評価手法としては、断層周辺の地質構造を三次元で解析し活動性を評価する手法や断層内物質試料を用いた分析による評価手法などがあり、これら評価手法に関する適用条件・課題等を整理し、総合的な評価手法の確立を目指すものである。

環太平洋沿岸部は常に津波のリスクにさらされている。このリスク低減には、その規模と履歴を知ることが第一歩である。石垣島東岸には１７７１年明和津波によるサンゴ礁起源の津波石が堆積している。この津波は歴史書の記載と津波石の放射性炭素同位体比年代から、年代が明らかになっている。しかしながら、放射年代は津波でサンゴが剥ぎ取られた年代を知るのみで、定置にまでに経験した津波の履歴はわからない。そこで、地磁気を利用して、津波石の定置履歴を解明し、水理計算で検証することがこの研究の目的である。

南極ナピア岩体の地質調査を通して、地球史上最大規模の超大陸ゴンドワナ大陸の形成とその後の分裂の歴史を紐解く事を目的としている。この目的に沿って、同岩体に分布する隕石衝突起源と考えられている巨大シュードタキライトの古地磁気分析と地球化学分析を担当する。

隕石衝突を被った岩石はしばしば衝撃熔融脈を形成し、岩石形成時の磁化情報がリセットされてしまう。本研究では、このリセット時の磁化情報から隕石衝突時の環境を復元することを目的とし、衝撃熔融脈を有する南極産コンドライト数種とクレーター起源の断層シュードタキライトの磁気的特長を明らかにする。主な実験は、自然残留磁化（ＮＲＭ）の方向のばらつきや磁化強度などを調べることで、磁化リセット時にどのようにＮＲＭが獲得されたのかを推定する。また、高速衝突実験から衝撃熔融物の磁気特性も解析する。これらのリセットされた磁化研究を通して、原始太陽系母天体磁場やゴンドワナの古地磁気学の信頼性を向上することに貢献してゆく。