2006年 - 2007年
科学系博物館におけるキャリア教育の実践的研究
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 18500692
- 体系的課題番号
- JP18500692
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
-
- (総額)
- 4,120,000円
- (直接経費)
- 3,700,000円
- (間接経費)
- 420,000円
- 資金種別
- 競争的資金
子どもたちが,主体的に自己の進路を選択・決定できる能力を身に付け,社会の変化に対応できる社会人・職業人として自立していけるようになるには,しっかりとした勤労観・職業観を身に付けておくことが重要と考えられる。本研究では,科学系博物館のもつ多種多様な資源を活用したキャリア教育の在り方について実践的な研究を行った。国内の科学系博物館に対して,科学系博物館での職場実習・ボランティア体験等の受入れ人数,受け入れ期間,受け入れプログラム,実施上の課題等についてアンケートによる実態調査を行うとともに,先進的な取組を行っている博物館に対して実地調査と担当者へのインタビューを行った。その結果,キャリア教育プログラムに取り組んでいる科学系博物館は,アンケート送付館の約1/3にのぼることが明らかになった。プログラムの内容は「博物館についての理解」を目的とした博物館職員の業務の体験的な内容が多かった。開発したプログラムの実施では,「博物館には多様な職種があり協力して来館者サービスにあたっている」,「博物館の研究・展示・教育が一連の活動である」ことを理解させることを目標にプログラムを構成し,実施した。プログラム受講者に対してはアンケート調査を行い,プログラムの比較・評価を行った。その結果,「それぞれの職業に誇りをもち,職種を越えた協力をすることが大切」といった,総合的な職業理解の視点を獲得していた。同時に,博物館の業務に関する理解も増していた。また,科学への動機付けなど科学リテラシー涵養,ボランティアや小学校低学年との交流によるコミュニケーション能力向上にも寄与できる可能性も伺われた。このように,科学系博物館がその特性を活かすことにより,様々な拡がりをもつキャリア教育の場として構築できる可能性があることが明らかになった。
- リンク情報
- ID情報
-
- 課題番号 : 18500692
- 体系的課題番号 : JP18500692