2020年4月 - 2023年3月
難治性前立腺癌のシングルセル解析によるゲノムエピゲノム進化と腫瘍内不均一性の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
本邦でも、欧米諸国のように前立腺癌の罹患率が高齢化や検診の普及により増加傾向である。早期の前立腺癌に対しては、手術・放射線による根治が可能となってきたが、初発時に有転移症例や、手術・放射線療法後の再発に対してはアンドロゲン除去療法(androgen deprivation therapy: ADT)が選択される。しかし数年以内にADTに耐性化を獲得し、去勢抵抗性前立腺癌(Castration Resistant Prostate Cancer: CRPC)に進展する。新規アンドロゲン受容体シグナル阻害剤や、新規抗がん剤カバジタキセルが近年本邦で承認されたが、生命予後の改善効果は限定的であり、mCRPCは予後不良である。
前立腺癌の好発転移部位である骨転移は造骨性で、アプローチが困難なため再発や転移時の生検検体の採取が困難であることが多い。そこで本研究では血液中の血液循環がん細胞(CTC)と血液循環DNA(circulating tumor DNA: ctDNA)によるリキッドバイオプシー検体を経時的に回収し、CTCのシングルセル解析とctDNAのNGS解析、診断時・再発時の転移巣の生検検体を対象として、ITHを内包する複数病変に由来したゲノム情報の全体像の解析を進めてきた。
本年度は、CTCシングルトランククリプトーム解析を進め、カバジタキセル加療後の患者において共通するクラスター群を同定した。患者の手術検体におけるRNAの発現解析を進め、どのがん細胞などで発現しているのかについて検討を進めている。ctDNAにおいても、治療が進み、耐性獲得時に新たな変異と増幅が入る一連の症例と遺伝子群を同定した。
3次元培養が安定しSphere形成が可能となった症例につき、患者の手術検体のパラフィン包埋検体と、ctDNAのNGS解析における発現解析を進めている。
前立腺癌の好発転移部位である骨転移は造骨性で、アプローチが困難なため再発や転移時の生検検体の採取が困難であることが多い。そこで本研究では血液中の血液循環がん細胞(CTC)と血液循環DNA(circulating tumor DNA: ctDNA)によるリキッドバイオプシー検体を経時的に回収し、CTCのシングルセル解析とctDNAのNGS解析、診断時・再発時の転移巣の生検検体を対象として、ITHを内包する複数病変に由来したゲノム情報の全体像の解析を進めてきた。
本年度は、CTCシングルトランククリプトーム解析を進め、カバジタキセル加療後の患者において共通するクラスター群を同定した。患者の手術検体におけるRNAの発現解析を進め、どのがん細胞などで発現しているのかについて検討を進めている。ctDNAにおいても、治療が進み、耐性獲得時に新たな変異と増幅が入る一連の症例と遺伝子群を同定した。
3次元培養が安定しSphere形成が可能となった症例につき、患者の手術検体のパラフィン包埋検体と、ctDNAのNGS解析における発現解析を進めている。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H03817
- 体系的課題番号 : JP20H03817