2018年12月25日
脊髄炎で発症したトキソカラ症の1例
Clinical Parasitology
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- 巻
- 29
- 号
- 1
- 開始ページ
- 86‐88
- 終了ページ
- 88
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 日本臨床寄生虫学会
症例は32歳女性で、左手尺側のしびれが出現し、その後頸部前屈により左前腕尺側や両下肢のしびれが誘発されるようになった。頸髄MRIでC3レベルに髄内異常信号を認め紹介となった。髄液検査では、初圧120mmH2Oで、細胞数、蛋白の上昇は認めなかったが、白血球像では目視で好酸球がみられた。MRIでは頸髄C3レベルに髄内高信号病変を認め造影効果を伴っていた。CT検査では、両側肺に多発すりガラス陰影を認め、肝内には低濃度腫瘤がみられた。造影CT検査では肝臓の低濃度腫瘤に非特異的な造影効果を認め、超音波検査では同部位は低エコーであった。脊髄病変に加えて、肺、肝臓の病変を認め、血液検査、髄液検査で好酸球増多がみられたことから、寄生虫感染症を疑った。Toxocara ES抗原を用いて精査したところ、血清および髄液のいずれにも陽性所見を得、臨床症状と合わせてトキソカラ症と診断した。あらためて食歴を尋ねたところ、日常的に牛の生肝を喫食していたことが判明した。
- ID情報
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- ISSN : 1341-5190
- 医中誌Web ID : 2019223774
- J-Global ID : 201902222524709332