2019年4月 - 2022年3月
長鎖非翻訳RNAによる歯周炎発症制御機構の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
慢性歯周炎発症による歯周組織破壊は微生物因子・環境的因子依存が大きいとされ、発症予測や予後予知性を可能にする一塩基多型などの決定的な遺伝的素因は未だ十分に解明されていない。近年、多くのタンパク質をコードしない RNA (long non-coding RNA: lncRNA) が染色体の各位置から転写され、クロマチンの三次元的構成に寄与し、近傍遺伝子座のみならず異なる染色体上の遺伝子座における mRNA の転写をも制御することが報告されている。しかしながら、歯周組織構成細胞における lncRNA の発現やその歯周炎病態成立への関与についてはほとんど解明されていない。そこで、本研究計画では、歯周組織構成細胞における機能的 lncRNA 群の同定とその作用機序を解明することを目的としている。2019年度は、通常培養あるいは硬組織分化誘導培養を行った歯根膜由来細胞からそれぞれtotal RNAを回収した。得られたRNAをpoly A tailでselectionし、RNA-seqにかけてraw dataを得た。得られたraw dataをbioinformatics解析にかけ、歯根膜細胞が発現するRNAを網羅的に同定するとともに、機能別分類およびRNA annotationにより歯根膜細胞が発現するlncRNAを同定した。raw dataに対するbioinformatics解析を行うために必須である、UCSC genome browserなどのウェブツールへの通信環境の構築やHOMERなどのコマンドツールを用いて目的に沿った解析法の確立を行った。
- ID情報
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- 課題番号 : 19K10104
- 体系的課題番号 : JP19K10104