MISC

2008年8月

【血管収縮制御の分子機構】 スフィンゴ脂質による血管収縮のカルシウム感受性制御の血管病における意義

血管医学
  • 加治屋 勝子
  • ,
  • 岸 博子
  • ,
  • 川道 穂津美
  • ,
  • 小林 誠

9
3
開始ページ
231
終了ページ
238
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)メディカルレビュー社

突発性の血管病である血管攣縮は、突然死の主因として恐れられている。血管攣縮は、Rhoキナーゼを介した血管平滑筋のCa2+感受性亢進によって引き起こされる。このRhoキナーゼの上流の活性化経路として見出されたスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)→Fyn→Rhoキナーゼ経路は、従来報告されてきたCa2+感受性亢進の経路とは独立した新規経路であり、コレステロールが局在する細胞膜ラフトを反応の場とする血管異常収縮に特異的なものである。血圧維持を担う正常収縮を抑制せず、Ca2+感受性亢進のみを選択的に抑制する血管攣縮治療薬の探索を行い、幸いにエイコサペンタエン酸(EPA)を見出す事ができた。実際にEPAはヒトの血管攣縮に著効を示したが、EPAは内服のみ可能なため、急性発症の血管攣縮に対応するために、現在EPAと同じ薬効を持ち、注射可能な薬物の探索を行っているところである。(著者抄録)

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10026430463
ID情報
  • ISSN : 1345-9031
  • 医中誌Web ID : 2008322112
  • CiNii Articles ID : 10026430463

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