2019年7月 - 2022年3月
中央集約型と分散型の併用による医療情報共有のためのトラスト(信頼関係)の評価法
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
現在、医療情報は主にクライアント・サーバー型(以下中央集約型)と分散システム型(以下分散型)の2つの方法でデータベース化され利活用されている。本研究では、中央集約型と分散型の併用による医療情報共有の方法として、ブロックチェーンとスマートコントラクトを組み合わせたデータベース管理の方法を提案し、そのためのトラスト(信頼関係)の評価法を目的としている。本研究の今年度の研究実績は次の通りである。まず、千葉大学病院(以下当院)は、がんゲノム医療の臨床実装として保険収載されたがん遺伝子パネル検査を開始した。当院は千葉県がんセンター病院(がんゲノム拠点病院)の連携病院である。保険収載さればがん遺伝子パネル検査に必須のエキスパートパネル(EP)を千葉大学病院と千葉県がんセンターの間で構築した。今後、千葉県におけるゲノム医療の先駆けとして、がんゲノム遺伝パネル検査のゲノム情報は国立がんセンターのC-CATにデータベースが構築されて医療ビッグデータが形成される。 C-CATにおける医療ビッグデータの取り扱いは中央集権的と考えられているため、一般には限定された関係者のみがアクセス可能となっている。本研究では、将来的にこれらの医療ビッグデータがクラウドデータベースに保存されることを想定し、社会におけるトラスト(信頼関係)の確立を目指している(世界的にも様々なシステムが模索されているがデータへのアクセス権限など種々の課題がある。一方、MGeNDのデータベースなどがすでに構築されつつある。本研究では、ブロックチェーンを用いた医療情報の共有方法(分散型共有)と中央集権型の共有法について検討した。具体的には、医療者や患者がどのように多様な医療情報を安全かつ有効に共有するかをスマートフォンによる医療者間、医療者―患者の共有方法について立案中である。
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- ID情報
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- 課題番号 : 19KT0019
- 体系的課題番号 : JP19KT0019