MISC

2017年7月

リプログラミング技術を用いた骨髄異形成症候群の腫瘍内遺伝的・機能的多様性の解明

臨床血液
  • 蝶名林 和久
  • ,
  • 吉田 善紀
  • ,
  • 高折 晃史

58
7
開始ページ
787
終了ページ
791
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(一社)日本血液学会-東京事務局

予後不良のクローン性造血障害である骨髄異形成症候群(MDS)には病態を再現し解析する疾患モデルが少なく,新規治療法を開発するためのツールが殆どないのが現状である。近年,次世代シークエンサーを用いたMDSの網羅的ゲノム解析によりde novo急性骨髄性白血病(AML)とは異なる遺伝子異常が次々に発見されたが,遺伝子異常と病態との関連についてはまだ不明な点が多い。我々はMDSおよびMDSから移行したsecondary AML(MDS/sAML)症例から複数のiPS細胞(MDS-iPS細胞)の樹立に成功した。MDS-iPS細胞から再分化した造血前駆細胞には,病期特異的に分化成熟障害が見られた。MDS-iPS細胞は,MDSの腫瘍内多様性および発症・進展機構の解明に大きく貢献できると予想され,同時に創薬スクリーニングにおいて強力なツールになることが期待できる。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0485-1439
  • 医中誌Web ID : 2017339308

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