1995年
SCID マウスを用いた ATL 細胞の in vivo 増殖機構の解析
臨床血液
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- 巻
- 36
- 号
- 6
- 開始ページ
- 573
- 終了ページ
- 577
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11406/rinketsu.36.573
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本血液学会
ATL患者より分離したATL細胞および種々のHTLV-I感染T細胞株をSCIDマウスに接種することにより新たにATL細胞のin vivo増殖モデルを作製し,その解析を行った。ATL細胞を移植したマウスでは,8例中6例においてマウスは腫瘍死し,腫瘍細胞は移植したATL細胞と同一のクローンであった。腫瘍細胞の浸潤様式は,ATLの臨床像と近似していた。細胞株を移植したマウスでは,7種類のうち4種類の細胞株が腫瘍を形成した。ATL白血病細胞由来株は非白血病細胞株よりマウスに生着しやすい傾向にあり,両者は造腫瘍性に関し差があると推察された。また,腫瘍細胞のIL-2およびウイルス遺伝子の発現を解析したところ,ATL細胞の腫瘍性増殖にIL-2オートクライン機構およびウイルス遺伝子の発現は直接的に関与していないと考えられた。更に,Taxを導入し不死化したT細胞はマウスに腫瘍を形成せず,T細胞はTaxの発現のみでは造腫瘍性を獲得し得ないと考えられた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11406/rinketsu.36.573
- ISSN : 0485-1439
- CiNii Articles ID : 10005898647
- CiNii Books ID : AN00252940