共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

非アルコール性脂肪肝炎における肝再生機能不全の解明と統合的治療法の開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
18H02871
配分額
(総額)
17,290,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
3,990,000円

本研究では、NASH肝切除後・マージナル部分肝移植後再生機能不全のメカニズムの解明とともに、統合的治療戦略を確立するものである。
1)NASHマウスモデルにおける検討:TSODマウス(2型DMモデルで6ヶ月にNASH発症、12ヶ月以降に100%肝腫瘍発生)に生後7wからTU100(MFD・TU100; 2.7%混餌)投与したところ、個体差はあるが6ヶ月後NASH発症を抑制し(肝内脂肪変性・炎症・ballooning)した。また肝内炎症性サイトカイン(IL-6・IL-1β)も有意に抑制した。 さらにTU100投与により腸内細菌叢における短鎖脂肪酸産生職制菌genus Blautia増加(遺伝子Methylationとも相関)・(steatosis改善)で増加するgenus Dorea減少(炎症性腸疾患でも増加)が確認され、NASH制御への可能性が示唆された。
2) 肥満手術の効果:肥満・糖尿病ラットにDuodeno-jejunal bypass導入することにより、腸内細菌叢変化とともに、インスリン抵抗性改善・NASH改善を認めるとともに腸管バリア機能(claudin-1)が維持された。ヒトsleeve胃切除(肥満手術・手術時NASH)でも術後AST/ ALT、FIB4index、肝/脾比は改善された。
3) 3D培養による分離肝細胞保護、ADSCから肝細胞・胆管細胞分化:ADSCから肝細胞・胆管細胞分化研究を継続中で、肝細胞に関しては分化プロトコール20日目にアルブミン産生細胞にまで分化させることができた。自己細胞治療の応用へ向けて研究継続中である。

ID情報
  • 課題番号 : 18H02871