2015年4月 - 2018年3月
巨大災害が資本市場に及ぼす影響と会計情報の開示に関する理論的・実証的研究
- 配分額
-
- (総額)
- 13,910,000円
- (直接経費)
- 0円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
本年度には、昨年度に引き続き、東日本大震災に関するディスクロジャー行動とその影響をアーカイブとして残すことを目的に、実証的なアプローチによって、東日本大震災のディスクロージャー、東日本大震災が資本市場に及ぼした影響、および東日本大震災が会計行動とガバナンスに及ぼす影響を調査し、取り纏めを行った。東日本大震災のディスクロージャーに関しては、2011年の東京電力福島第1原子力発電所の原子力事故に関する情報開示、東京電力の適時開示の状況および株価形成を調査した。東日本大震災が資本市場に及ぼした影響に関しては、2011年3月11日の東日本大震災発生直後および発生後の株価形成を調査し、研究報告を実施した。また、巨大災害後には市場の不確実性が高くなると予想さるので、決算短信公表後の株価ドリフト(Post Earnings Annoucement Drift)の現象を検証した。東日本大震災が会計行動に及ぼす影響に関しては、業績予想情報の開示と非開示の選択問題を調査した。さらに、巨大災害が中小企業、特にファミリービジネスの経営や存続に及ぼす影響を明らかにするため、事業活動の持続性や配当政策を検証した。定性的アプローチと定量的なアプローチの両面から事実の検証を行った結果、得られた示唆の一つは、常に地震リスクに曝されているわが国では、災害とその復興に対して社会の構成員の合意を形成するために、信頼性と適時性の高いディスクロージャーが不可欠であるということである。東日本大震災直後の資本市場の株価形成および企業の開示行動に関しては、アーカイブをおおむね作成することができた。これまでの研究はおおむね順調に進捗しているので、研究計画に従い、今後の研究を推進する。現段階で計画遂行上の問題点はない