2006年 - 2007年
Src及びCblファミリーによるチロシンリン酸化シグナルの正負の制御と脳高次機能
文部科学省 科学研究費補助金(特定領域研究) 特定領域研究
Src型キナーゼとCblファミリーは広範なチロシンリン酸化シグナルをそれぞれ正及び負に制御する。本研究ではこれらの分子群を起点として、脳高次機能におけるチロシンリン酸化シグナルの役割をより明らかにすることを目指した。(1)脳高次機能発現におけるSrc型キナーゼの基質として、NMDA受容体NR2Aサブユニットに注目し、その最も著明にリン酸化されるチロシン残基をフェニルアラニンに改変したマウスを樹立した。行動解析の結果、この改変マウスでは強制水泳テスト及び尾懸垂テストにおいて、無動時間が短縮していた。従って、Src型キナーゼによるNR2A性のリン酸化は強制ストレスに対する抵抗性を制御すると考えられた。(2)NMDA受容体NR2B結合分子として同定したp250GAPの解析を進めた。私達は、p250GAP及びこれに最も相同性が高いTCGAPがSrc型キナーゼFynと結合すること、TCGAPはFynによりリン酸化されるとそのRhoGAP活性が抑制されることを見いだしており、これらのRhoGAPがSrc型キナーゼを介するシグナル伝達系にも寄与すると考えている。成熟海馬神経細胞に対し、レンチウィルス発現系を用いてp250GAPの発現を抑制した結果、スパインの幅が増大した。更に検討した結果、p250GAPはNMDA受容体近傍におけるRhoAの活性を普段は抑制することにより、スパインのアクチン...
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- 課題番号 : 18022013
- 体系的課題番号 : JP18022013