講演・口頭発表等

2021年7月29日

ゼオライト膜を用いた省エネ型CO2分離とカーボンリサイクルへの展開

主催: 大阪イノベーションハブ(大阪市)
  • 荒木 貞夫

CO2の分離・回収にはより省エネルギーなプロセスが求められている。中でも膜分離は、従来の吸着法よりもより省エネルギーなプロセスとして注目されている。特に無機膜は高分子膜と比較して高い耐熱性や耐久性があり、より過酷な環境下で利用できる。 我々は無機膜である0.38nmの均一な細孔を持つCHA型ゼオライト膜の開発を行ってきた。ゼオライト膜は機械的強度と薄膜化両立するために多孔質支持体の上に成膜される。我々の強みはゼオライト粒子、膜の合成技術だけでなく、多孔質支持体の合成技術も有しており、アルミナ、ステンレスなど種々の素材で、中空糸や、モノリス形状のものを簡便な方法で合成できる点にある。この支持体形状は単位体積当たりのゼオライト膜の表面積を決定づけ、高選択性と高透過性の両立のため非常に重要な開発要素である。我々はこれらの技術を駆使し、高いCO2分離性能と高温耐久性を持つCHA型ゼオライト膜の合成に成功している。