共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2025年3月

仏教儀礼的観点に基づく明兆作品の総合的研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
20K00203
体系的課題番号
JP20K00203
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

本研究は、南北朝期から室町期にかけて京都・東福寺を中心に活躍した絵仏師・吉山明兆(1352~1431)および明兆派画人の各作品について、多角的な調査を実施するとともに、中世禅林の清規・儀礼史料を網羅的に集成し、宋代仏教美術に関する最新の研究成果をふまえた仏教儀礼的視座からの検証を行い、その具体的な使用実態と絵画機能とを解明することを目的としている。本年度は以下の成果を上げることができた。
1)明兆および明兆派画人作品の調査:前年度に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けたが、明兆の活躍拠点であった東福寺本山および同寺塔頭の所蔵作品について、代表者および分担者(森)により、2回にわたり悉皆的に調査を行うことができたことはきわめて大きな収穫といえる。第一次調査は2021年11月17日・18日に実施し、これまで紹介されることのなかった未指定品を新たな明兆作品として見出すなど、実りある調査となった。第二次調査は2022年2月28日~3月2日に実施し、明兆の代表作である「五百羅漢図」の下絵もしくは写本とみなされている紙本墨画(一部淡彩)作品をはじめ、見解が定まっていない作品について、今後の知見につながるデータを取得することができた。
2)中世禅林の清規・儀礼史料の収集とデータ化:本研究の推進にあたっては、中世禅僧の語録や中国宋・元時代の清規等の文献資料を博捜し、絵画作品の画題や使用形態等に関する記録を収集する必要がある。本年度は『東福寺文書』(大日本古文書・家わけ第二十)に記載される諸記録から絵画関係記事をピックアップし、その一部のデータ入力を行った。
3)東福寺関係資料の整理とリスト化:明兆および明兆派作品を中心に、東福寺本山および同寺塔頭所蔵作品についてリスト化を進めた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K00203
ID情報
  • 課題番号 : 20K00203
  • 体系的課題番号 : JP20K00203