2018年4月 - 2021年3月
「PrPC→PrPSc」変換機構とプリオン構築原理のβへリックスモデルからの解析
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
- 課題番号
- 18K06621
- 体系的課題番号
- JP18K06621
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
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- (総額)
- 4,420,000円
- (直接経費)
- 3,400,000円
- (間接経費)
- 1,020,000円
- 資金種別
- 競争的資金
βへリックス構造を有するP. anserina由来のHet-s蛋白質、E. coli由来のLpxA蛋白質およびlacA蛋白質のそれぞれの遺伝子をクローニングし、これらの蛋白質の立体構造中でβへリックス構造を形成することが知られている部分を幾つか系統的に選び、そのcDNAをマウスの正常型プリオン蛋白質(PrPC)のcDNAへ移植・置換した。また、当初の計画には無かったが、ニワトリ・PrPCとマウス・PrPCの種々のキメラ蛋白質遺伝子(キメラcDNA)を作製した。次いで、マウス馴化プリオンが感染してPrPCから異常型プリオン蛋白質(PrPSc)への変換が持続的に起きているマウス培養細胞(神経芽細胞腫由来)へこれらのcDNAを導入して発現させ、プリオン感染細胞が有する「PrPCからPrPScへの変換能・変換機構」において、発現させた置換体やキメラ体が基質となってPrPSc様の蛋白質凝集体を形成するか否かを調べた。これまでの実験の結果、マウス・PrPCの112から155番目の44個のアミノ酸をニワトリ・PrPCの126から169番目のアミノ酸を配列で置換したキメラが、全長のアミノ酸配列がマウス型のPrPCがPrPScへ変換される効率より低いものの、プロテアーゼK消化に対して抵抗性の凝集体を形成することがわかった。この実験とは別に、プリオンに感染した動物の脳組織に蓄積したプリオンに対して光架橋反応(Proc Natl Acad Sci USA, 1999; 96: 6020)を試みたところ、プリオンの凝集体構造を考察する手がかりとなる実験データが予想外に得られた。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K06621
- 体系的課題番号 : JP18K06621