1996年
ヘッドスペース法によるカンキツ類の揮発性成分の品種特性
日本食品保蔵科学会誌
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- 巻
- 22(4),235-240
- 号
- 4
- 開始ページ
- 235
- 終了ページ
- 240
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.5891/jafps1987.22.235
- 出版者・発行元
- japan association of food preservation scientists
カンキツ類の品種問における香気特性を調べるため, Tenaxを用いたヘッドスペース法によって揮発性成分を測定し, 品種による揮発性成分組成の相違と主成分分析による統計的解析を行い品種特性を検討した。<BR>カンキツ類の揮発性成分の中でd-limoneneは最も高い構成比を占め, 大部分の品種が80~93%であったがシイクワシャー, カボス, リスボンレモンが47~72%と低い構成比となっていた。その他の成分ではmyrceneがカボスで27%, γ-terpineneがシイクワシャーで32%と他のカンキツで見られない特異的な構成比となっていた。<BR>主成分分析による統計的解析を行った結果第1~第3主成分の寄与率は31.0%, 14.4%, 10.7%の分析を行うことが可能であった。第1主成分および第2主成分のスコアを散布図で表すとネーブルオレンジ類, タンゼリン・タンゼロ類およびウンシュウミカンの各品種は比較的狭い範囲に集中し, 一つのグループを形成していた。雑柑類も広い範囲に分布しているがややまとまったグループを作っていた。シイクワシャーやレモン類は中心より遠い位置にあり, 他のカンキツとは明らかに異なる特性を示した。ヘッドスペース法による揮発性成分組成を用いた主成分分析によって, その散布図から品種間の相互関係を明らかにすることが可能であった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.5891/jafps1987.22.235
- ISSN : 0914-7675
- CiNii Articles ID : 10029723795
- CiNii Books ID : AN10224646