2018年4月 - 2021年3月
ヒトiPS細胞から膵芽細胞への分化調節分子の同定とその役割の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
移植医療や創薬への応用に向けて、ヒト幹細胞(ヒトES/iPS細胞)から膵細胞を作製する研究が精力的に進められている。発生学の知見に基づき、様々な膵細胞を分化誘導することが可能となってきたが、不安定な作製効率や、目的外細胞の混入など解決すべき課題が多くある。その原因の一つとして、膵臓の基となる膵芽細胞への分化機序の全貌が不明であることが挙げられる。本研究では、膵芽細胞に特異的なマーカー遺伝子NKX6.1を指標として、ヒトiPS細胞から膵芽細胞への分化を調節する分子を網羅的に探索・同定し、その役割を解明することを目的としている。
まず、膵芽細胞への分化に関わる分子を同定するために、siRNA導入による網羅的な遺伝子発現抑制スクリーニング系の構築を試みた。蛍光色素が付加されたオリゴを用いて導入効率の改良・安定化した後、ポジティブコントロール・ネガティブコントロールを用いて評価系の安定性、検出感度を改良した。続いて、この系を用いて719種類の遺伝子を評価し、29種類の候補遺伝子を得た。現在、同一オリゴによる二度目の試行にて再現性良くNKX6.1+細胞への分化を抑制あるいは促進する候補遺伝子を確認している。また、網羅的解析の加速や、候補遺伝子の精査に向けて、NKX6.1の発現と相関して蛍光色素を発現するレポーターヒトiPS細胞株を樹立した。改変した遺伝子が正確に導入された細胞株を選別し、分化誘導することでNKX6.1の発現と相関して蛍光色素が発現する細胞株であることを確認した。
まず、膵芽細胞への分化に関わる分子を同定するために、siRNA導入による網羅的な遺伝子発現抑制スクリーニング系の構築を試みた。蛍光色素が付加されたオリゴを用いて導入効率の改良・安定化した後、ポジティブコントロール・ネガティブコントロールを用いて評価系の安定性、検出感度を改良した。続いて、この系を用いて719種類の遺伝子を評価し、29種類の候補遺伝子を得た。現在、同一オリゴによる二度目の試行にて再現性良くNKX6.1+細胞への分化を抑制あるいは促進する候補遺伝子を確認している。また、網羅的解析の加速や、候補遺伝子の精査に向けて、NKX6.1の発現と相関して蛍光色素を発現するレポーターヒトiPS細胞株を樹立した。改変した遺伝子が正確に導入された細胞株を選別し、分化誘導することでNKX6.1の発現と相関して蛍光色素が発現する細胞株であることを確認した。
- ID情報
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- 課題番号 : 18K08510
- 体系的課題番号 : JP18K08510