基本情報

所属
東京藝術大学 美術学部 絵画科 准教授
学位
美術博士(2002年3月 東京藝術大学)

研究者番号
00758550
J-GLOBAL ID
200901045118752963
researchmap会員ID
5000079736

外部リンク

これまの芸術教育・研究活動について
1974年千葉県生まれ。1993年に東京芸術大学油画入学、1999年同大学大学院修士課程修了。同年、同大学大学院後期博士過程へ進学。後期博士過程を2002年に修了(美術博士号取得)した後、自身の創作活動に邁進すると同時に教育研究助手として大学教育の現場に関わる。
この間の教育や研究・創作活動が評価され、2006年より3年間にわたり文化庁新進芸術家在外派遣研究員として中国で創作と研究活動を行った。また、公益財団法人ユニオン造形文化財団と公益財団法人吉野石膏美術振興財団からの研究助成を受け、在外研究員としてさらに2年間ほど中国に滞在した。
中国での創作研究においては、触覚と物語性(ナラティブアート)をキーワードに、シルクロードに点在する各省と福建省、雲南省などを巡り、中国独特の庭園・壁画・石窟・建築などの様式や生活文化・民族風土・環境問題などのリサーチ活動を行う傍ら、ユーラシア大陸を舞台に自然エネルギーを利用した持続可能なランドアートプロジェクトを計画するなど、創作活動のフィールドを広げることができた。
帰国後は、東京藝術大学に非常勤講師として勤務し、油画専攻や工芸科の学生の指導や自身の創作研究を行う。また、これまでの経験を活かして、同大学が主導する国際交流事業やアートプロジェクトなどにも関与し、2013年からは2015年3月まで革新的芸術文化都市構想プロジェクトアクティビティーチーフディレクターとして大学の事業運営にも携わる。2018年度には同大学「平成30年度経済産業省産学連携サービス経営人材育成事業」の統括ディレクターを務める。
2015年4月より愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻講師。2018年4月より2023年3月まで同大学准教授。2023年4月より東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻准教授。私が担う同大学壁画第二研究室ではフレスコ、モザイク、ステンドグラス、陶板、土壁の各工房とLABを備え、「絵画からはじまること」を起点に壁画の技法や素材に関する研究を通じて、新しい可能性のかたちを切り開いていくことを目的としている。また、洞窟、庭園、建築などの空間や環境、古の暮らしとも密接に関係する壁画を物語性と持続性の視座からも探究している。さらに自らが行動する力によって新たな知見を得る「Glocal Field Study」として、世界中が学びの場と捉え様々な領域と共創していくプログラムが組まれている。

自身の作品と発表活動について
私の作品のテーマは、作品の設置された場を起点に、風土・環境・造形的アイデンティティーを問い直す独自の表現として成り立たせ、鑑賞者との対話を生み出すことである。
代表作である「蔵風得水」・「可能性のかたち」と題されたシリーズでは、一貫して土(大地)を素材として扱い、日本の土壁技法や中央アジアの伝統的な手法のひとつである日干し煉瓦を用いた持続可能な構造物を協働制作というプロジェクトという形式で数多く制作してきた。
これまで国内では、「京都芸術祭」(京都)、「最上環境芸術祭」(山形)、「森のはこ舟計画」(福島)、「取手アートプロジェクト」(茨城)などの野外展やアートプロジェクトに多数参加。
海外では、「中国ビエンナーレ」(中国)、「中韓日国際芸術現代展」(中国)、「日独国際交流展」(ドイツ)、「日韓国際交流展」(韓国)、「旺山開天ビエンナーレ」(韓国)、「VOICE OF SITE/日米国際交流展」(アメリカ)などの国際展でも発表。
2008年、上海にできた世界一の高さを誇る上海環球金融中心に雲南省のリサーチ活動を通じて学んだ乾漆技法を取り入れた彫刻作品を4点恒久設置され、北京市の環鉄芸術区には日本人初の野外作品として竹と土壁の技法を利用した高さ4mの「蔵風得水」シリーズを恒久設置した。
2009年と2012年には「越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟)にて、1000坪の棚田に、生態学や地域文化などを取り入れた人と自然が共存する生態学的空間を創造した。2015年度も「越後妻有アートトリエンナーレ」においては、出展アーティストのひとりとして選出された。
2011年東日本大震災をきっかけに取手アートプロジェクト《半農半芸》のディレクターとしてアートプロジェクトに関わり、2014年から現在まで「中房総国際芸術祭アート×ミックス」(千葉)では、美術家・ディレクターとして企画を行うなど、これまでとは異なる新しい形式の芸術祭をつくりあげている。
他にも国内外のアーティストインレジデンスやアートプロジェクトに関わり、多様な世代と分野の方々と共創する現地制作なども数多く展開している。

新たな想い
人間が有史以来、神話的世界観・宗教的世界観・科学的世界観の時代という3つの時代を経て、人類は地球規模の環境問題に直面しています。私たちは、この地球が人類の営める唯一の場所であるということを改めて見つめ直す必要がある。
私の最近の創作活動と合わせて考えると、2012年に耕作放棄地を3年かけて地域住民と共に再生した棚田舞台での「谷蟆」や老若男女が約1年に渡り取り組んだ「よほろ~養老舞踏」の公演、2013 年「創ること・生きること」を提唱し、「月出創生計画」によって廃校を利活用した「月出工舎」の活動などは、改めてその地域が持つ風土や環境を再考することを考える機会と場をつくり、新しい一歩を踏み出すことができたのではないかと思っている。
遠い未来ではない、今から地続きの10年後の未来を多視点な角度から捉え、美術も、音楽も、ダンスも、建築も、農学も、社会学も、生命研究も、様々な分野が領域を超えて共振する新しい世界観・知の場をつくる必要がある。事実、それがはじまろうとしているのではないでしょうか。私は、21世紀初頭の芸術が新たな価値を持って輝いた時代として位置づけたい。


経歴

  24

論文

  1

講演・口頭発表等

  17

Works(作品等)

  126

共同研究・競争的資金等の研究課題

  47

学術貢献活動

  42

社会貢献活動

  68