1990年
キュウリモザイクウイルスサテライトRNA 4分離株の比較
日本植物病理学会報
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- 巻
- 56
- 号
- 2
- 開始ページ
- 207
- 終了ページ
- 212
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3186/jjphytopath.56.207
- 出版者・発行元
- 日本植物病理學會
栃木県下の畑で採集したキュウリモザイクウイルス(CMV)感染植物からCMVのサテライトRNA (satRNA) 4分離株(S19-, T43-, T62-, T73-satRNA)を得,それらの物理的,生物学的性質について比較検討した。S19-とT73-satRNAはY-satRNAと同様にトマトに軽いモザイクを生じるのに対して,T43とT62はトマトにえそ症状を誘導した。塩基配列決定の結果,T43とT62は384塩基からなる同一のサテライトRNAであることが判明した。これらの塩基配列を相互にあるいは他のCMV satRNA分離株と比較したところ,S19-とY-satRNAとの間で91%, T43-とOY2-satRNAとの間で94%の高い相同性が認められた。各分離株の塩基配列中に共通するopen reading frameはみられず,satRNAはその生物活性に必須のタンパク質をコードしていないものと考えられた。寄主植物としてタバコを,ヘルパーウイルスとしてCMV-Oを用いて,それぞれのsatRNA分離株とY-satRNAとを混合接種した結果,T43-の複製能はY-satRNAのそれより優勢で,T73-とY-satRNAの複製能はほぼ同等か,あるいは前者がやや優れていた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3186/jjphytopath.56.207
- ISSN : 0031-9473
- CiNii Articles ID : 110002749411
- CiNii Books ID : AN0019269X