西條 玲奈
サイジョウ レイナ (Reina Saijo)
更新日: 11/28
基本情報
- 所属
- 東京電機大学 工学部 人間科学系列 助教
- 学位
-
博士(文学)(北海道大学)
- 連絡先
- saijo.reinamail.dendai.ac.jp
- 研究者番号
- 10768500
- J-GLOBAL ID
- 201201069497219373
- researchmap会員ID
- B000224544
【1】芸術作品の社会的存在論
芸術作品とそれに関連する社会制度や、それらを支える形而上学的概念について哲学的研究をしています。
たとえば、『ハムレット』は様々な劇場、俳優、演出家によって、多く言語で上演されてきました。これらの上演を同じ『ハムレット』たらしめる作品それ自体は存在するのか。この問いに対して、「存在するのは、実際に上演されている舞台の出来事だけである」という立場を私は擁護しています。
この背景には、抽象的対象に対する唯名論の立場があります。唯名論という名前は、中世の普遍論争に由来するものです。たとえば、私という人間が存在する、(おそらく)人間であるあなたも存在している。それでは、私やあなたが共有し、人間たらしめる<人間そのもの>、すなわち人間の普遍者は存在しているのか、という問題を論じて来たのが普遍論争です。唯名論とは、この問いに対して、「人間そのもの」は存在しない、と答える立場を指すものです。特に、私はデイヴィット・ルイスの唯名論的な性質の形而上学をヒントとして研究を続けています。彼の理論には、抽象的対象への関与を慎重に回避しつつも、「同じ性質をもつものは互いに類似し、同じ効果を引き起こす」という点を確保できるという利点があるからです。
最近の関心は、ある上演が特定の作品のものだとみとめられるための要件として、観客、批評家,ファンといった作品の受容者が果たす役割です。芸術を社会制度の一つとみなす、ジョージ・ディッキーの大きな枠組みに共感しつつ、あまりつぶさに語られることのない作者と観客の役割についてより具体的な哲学的考察を行なっていきたいと思います。
【2】ロボット倫理
もう一つの関心領域はロボット倫理です。芸術作品同様、ロボットもまた人工物の一種ですが、自律的な動作を行なうものであるがゆえにその社会的位置づけは様々な検討が必要とされています。私は主として、使用者に親近感を抱かせるデザインのロボットと、それが人に与える影響や倫理的懸念をジェンダーやセクシャリティの観点から考察しています。
芸術作品とそれに関連する社会制度や、それらを支える形而上学的概念について哲学的研究をしています。
たとえば、『ハムレット』は様々な劇場、俳優、演出家によって、多く言語で上演されてきました。これらの上演を同じ『ハムレット』たらしめる作品それ自体は存在するのか。この問いに対して、「存在するのは、実際に上演されている舞台の出来事だけである」という立場を私は擁護しています。
この背景には、抽象的対象に対する唯名論の立場があります。唯名論という名前は、中世の普遍論争に由来するものです。たとえば、私という人間が存在する、(おそらく)人間であるあなたも存在している。それでは、私やあなたが共有し、人間たらしめる<人間そのもの>、すなわち人間の普遍者は存在しているのか、という問題を論じて来たのが普遍論争です。唯名論とは、この問いに対して、「人間そのもの」は存在しない、と答える立場を指すものです。特に、私はデイヴィット・ルイスの唯名論的な性質の形而上学をヒントとして研究を続けています。彼の理論には、抽象的対象への関与を慎重に回避しつつも、「同じ性質をもつものは互いに類似し、同じ効果を引き起こす」という点を確保できるという利点があるからです。
最近の関心は、ある上演が特定の作品のものだとみとめられるための要件として、観客、批評家,ファンといった作品の受容者が果たす役割です。芸術を社会制度の一つとみなす、ジョージ・ディッキーの大きな枠組みに共感しつつ、あまりつぶさに語られることのない作者と観客の役割についてより具体的な哲学的考察を行なっていきたいと思います。
【2】ロボット倫理
もう一つの関心領域はロボット倫理です。芸術作品同様、ロボットもまた人工物の一種ですが、自律的な動作を行なうものであるがゆえにその社会的位置づけは様々な検討が必要とされています。私は主として、使用者に親近感を抱かせるデザインのロボットと、それが人に与える影響や倫理的懸念をジェンダーやセクシャリティの観点から考察しています。
研究分野
1経歴
14-
2024年9月 - 現在
-
2022年4月 - 現在
-
2022年4月 - 2022年9月
-
2020年4月 - 2022年3月
-
2019年6月 - 2020年3月
-
2019年4月 - 2020年3月
-
2018年10月 - 2019年3月
-
2016年4月 - 2018年9月
-
2017年10月 - 2018年3月
-
2015年4月 - 2018年3月
-
2015年4月 - 2018年3月
-
2014年11月 - 2016年3月
-
2014年8月 - 2015年4月
-
2008年10月 - 2010年10月
学歴
2-
- 2013年3月
-
2011年4月 - 2012年3月
委員歴
6-
2022年8月 - 現在
-
2020年4月 - 現在
-
2022年4月 - 2025年3月
-
2022年10月 - 2024年9月
-
2020年4月 - 2021年3月
-
2010年8月 - 2012年7月
論文
19-
東京電機大学総合文化研究 21 63-70 2023年12月
-
International Journal of Social Robotics 2022年7月18日 査読有り
-
メタフュシカ (51) 1-11 2020年12月 筆頭著者
-
人工知能学会全国大会論文集 2020 2Q5OS13b02-2Q5OS13b02 2020年
-
立命館大学人文科学研究所紀要 120 199-216 2019年12月 査読有り
-
Proceedings of the IEEE 107(3) 575-581 2019年3月 査読有り
-
人工知能学会第二種研究会資料 2018(10) 6-6 2018年
-
信学技報, Vol.117, No.286, pp.51-55 117(285) 51-55 2017年
-
Proceedings of the 2017 CHI Conference on Human Factors in Computing Systems 5 837-847 2017年 査読有り
-
IEEE TECHNOLOGY AND SOCIETY MAGAZINE 35(4) 68-75 2016年12月 査読有り
-
情報管理 59(6) E1-E1 2016年
-
哲学論叢 41(41) 59-70 2014年11月 査読有り
-
北海道大学(学位論文) 2014年 査読有り
-
社会と倫理 28(28) 37-49 2013年11月 招待有り
-
京都大学文学部哲学研究室紀要 : Prospectus 14 34-45 2011年12月
-
哲学論叢 38(別冊) S73-S84 2011年11月
-
北海道大学大学院文学研究科研究論集 (11) 1-10 2011年
-
『哲学の探求』 36 85-97 2009年5月
-
哲学 44 左7-左23 2008年2月 査読有り
MISC
16-
科学哲学 56(2) 21-24 2024年3月 招待有り筆頭著者
-
De-Silo ニュースレター 2024年1月20日 招待有り筆頭著者
-
現代思想 51(6) 40-48 2023年4月 招待有り筆頭著者
-
週刊読書人 6 2023年2月10日 招待有り筆頭著者
-
文藝 (秋) 2022年7月 招待有り筆頭著者
-
現代思想 50(5) 115-123 2022年4月 招待有り筆頭著者
-
現象学年報 37 129-132 2021年11月 招待有り筆頭著者
-
Art Research Online 2021年2月 筆頭著者
-
ユリイカ [詩と批評] 769(53-1) 2020年12月 招待有り筆頭著者
-
公益財団法人日本女性学習財団 月刊We Learn (ウィラーン ) 793 4-7 2020年2月 筆頭著者
-
現代思想 47(14) 2019年11月 招待有り
-
人工知能学会全国大会論文集 2018 3H2OS25b04-3H2OS25b04 2018年
-
図書新聞 (第3306号) 2017年6月 招待有り
-
ユリイカ 49(5) 230 2017年2月 招待有り
書籍等出版物
6-
フィルムアート社 2024年11月 (ISBN: 9784845921072)
-
早川書房 2024年4月24日 (ISBN: 4153400238)
-
大阪大学出版会 2024年3月31日 (ISBN: 4872597796)
-
フィルムアート社 2022年3月 (ISBN: 9784845921096)
-
フィルムアート社 2018年12月 (ISBN: 4845917165)
-
国立国会図書館 2018年3月
講演・口頭発表等
39-
日本大学文理学部第19 回哲学ワークショップ「性と身体の美をめぐって:おしゃれ・人工物・ゾンビ」 2024年3月8日 招待有り
-
北海道大学人間知・脳・AI研究教育センター(CHAIN)2023秋・人工主体との共存オンラインセミナー 2023年10月13日 招待有り
-
Taiwan STS Association Annual Conference 2023 2023年9月2日 招待有り
-
AIとどう生きる?――B'AIグローバルフォーラム・板津木綿子・久野愛編著『AIから読み解く社会——権力化する最新技術』 (2023)刊行記念イベント」 2023年7月28日 招待有り
-
国際技術哲学会第23回大会 2023年6月8日
-
応用哲学会十三回年次研究大会 2021年5月23日
-
WOMEN: WOVEN No. 1 2021年3月26日 招待有り
-
ダイバーシティ・カフェ19 大阪大学COデザインセンター(ダイバーシティ&インクルージョン・プロジェクト) 2020年10月29日 招待有り
-
6th World Conference on Research Integrity 2019年6月4日
-
山田友幸教授ご退職記念 ワークショップ 2019年3月23日
-
ワークショップ「ジェンダーと身体」 2019年1月12日 酒井麻依子(立命館大学文学研究科博士後期課程、日本学術振興会特別研究員) 招待有り
-
International Workshop on Morality and Robots 2018年11月30日 招待有り
-
3 rd Dutch-Japanese Workshop on Philosophy of Technology 2018年7月6日 招待有り
-
科学技術社会論学会第16回年次研究大会 2017年11月26日
-
CAPE Workshop Diversity and Trust 2017年10月23日
-
多元化するゲーム文化研究会 2017年8月26日 招待有り
-
SPT2017:The 20th Conference of Society of Philosophy and Technology: The Grammar of Things 2017年6月17日
-
日本科学哲学会第49回大会 2016年11月20日 日本科学哲学会
-
第18回AI社会論研究会 2016年11月10日 招待有り
担当経験のある科目(授業)
12-
2022年4月 - 現在
-
2021年4月 - 2022年3月
-
2017年10月 - 2018年3月
-
2017年9月 - 2018年2月
共同研究・競争的資金等の研究課題
7-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A) 2023年4月 - 2028年3月
-
東京電機大学研究推進社会連携センター 総合研究所研究課題 若手研究者・ 任期付研究者支援 2023年4月 - 2024年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)) 2019年10月 - 2023年3月
-
公益財団法人トヨタ財団 2018年度研究助成プログラム特定課題「先端技術と共創する新たな人間社会」 2019年5月 - 2021年4月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2018年4月 - 2021年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2016年4月 - 2020年3月
-
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2013年4月 - 2016年3月
メディア報道
3-
ポリタスTV ポリタスTV 2024年6月30日 インターネットメディア
-
講談社 攻殻機動隊 M.M.A. - Messed Mesh Ambitions_ 2023年10月 インターネットメディア
-
日刊工業新聞 ニュースイッチ 2020年10月2日 インターネットメディア
社会貢献活動
4